レクサス CT200h 実燃費レビュー【総評編】(2/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
車内スイッチの多さへの戸惑い
その欠点とは、車内のスイッチの多さだ。オーディオやエアコンを始めとして、さまざまな装備のスイッチが多い。
たとえば、試乗したCT200hには、マーク・レビンソンブランドのパナソニック製オーディオが装備されていたが、「AM・FM」「DISC」「HDD・AUX」「TV」とソースの選択が、小さくないボタンが並んでいるのである。
これだけで、かなりの面積を消費してしまっている。ひとつのスイッチに統合できるはずだ。
レクサスは高級車だから、快適/便利装備が多く、それに従ってスイッチの数が多くなる。普通のクルマには付いていない装備が付いていたり、普通のクルマについている装備でも、それよりもキメ細かくコントロールするためのスイッチが増えていたりするのである。
これはレクサスに限らず、高級車の世界では同じことが起こっている。
安全や情報、快適性のための装備が増え続けながらも、クルマのインテリアの表面積には限りがある。
増えれば増えるほど、スイッチひとつの面積は小さくならざるを得ず、とっさの判断を狂わせる。
操作の優先順位に応じて、パソコンや携帯電話のような階層構造を構築して、モニター画面内で確認できるようにするべきではないか。
現に、そうした考え方に基づいて、BMWはi-Driveを、メルセデス・ベンツはコマンドシステムを、アウディはMCCという独自の操作ロジックを開発して、増え続けるスイッチの多くを階層構造に整理している。
その点についてのレクサスの取り組みについて、LSのチーフエンジニアに質問したことがあるが、答えに驚かされた。
「レクサスのユーザーは、全員がパソコンや携帯電話を使っているわけではない。階層構造が、必ずしも使いやすいとは思えないが、スイッチの多さと、それによる混乱の可能性については認める。今後、何らかの対策を行う」
LSの後に登場したRXに初めて搭載された「リモートタッチ」が、その回答なのだろうが、煩雑さが解消したとは思えない。カーソルを合わせ、Enterボタンを押すと発する電子音が邦楽の鼓のようにポンッと間抜けな音がする。
テレビのお笑い番組のクイズで正解した時に流される効果音そっくりなのだ。
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