2022年夏の新型エクストレイル登場を前に現行型となる3代目の実燃費を計測! デビューから約9年の長寿モデルとしては健闘のトータル実燃費13.37km/Lを記録
- 筆者: 小鮒 康一
- カメラマン:MOTA編集部・小鮒 康一・日産自動車
今回の燃費テストを行ったのは、いよいよ2022年夏にもフルモデルチェンジがウワサされている日産のクロスオーバーSUV、エクストレイルの現行型モデル。新型モデルの登場の前に、現行型3代目モデルの実燃費を改めて検証する!
新型エクストレイル登場を前に現行モデルをおさらい
現行型となる3代目エクストレイルの登場は2013年12月のことだから、まもなく9年を迎える長寿モデルであり、新型エクストレイル登場前におさらいという意味でも燃費テストに連れ出した次第である。
今回の車両はハイブリッドモデルではなく、2リッターのガソリンエンジンを搭載する4WD仕様。グレードは特別仕様車やAUTECHモデルを除くと最上級グレードとなる「20Xi/レザーエディション Vセレクション」で、一部グレードには3列シートが用意されるが、こちらは2列シートの5人乗りとなる。
同グレードのカタログ燃費はWLTCモード燃費で12.6km/L(市街地モード9.5km/L、郊外モード13.2km/L、高速道路モード14.2km/L)となっており、1.6トンに迫る非ハイブリッド車のクロスオーバーSUVとしては可もなく不可もなくといったところ。むしろ9年が経過しているモデルと考えれば健闘している数値と言えそうだ。
今回の燃費測定は3月31日に行い、天候は春らしい穏やかな陽気で、最高気温は20度ほどという中でのテストとなった。ルートは朝10時ごろに青山にあるMOTA編集部を出発し、高速、郊外路、市街地・街乗りの順で走行し、16時ごろに再びMOTA編集部へ戻るルートを選択した。
燃費の数値は区間燃費については車両に備わる燃費計を使用した。エアコンは24度設定のフルオート、全行程をDレンジで走行し、走行モードはノーマルモード、駆動方式は2WDとし、プロパイロット(クルーズコントロール)は未使用としている。
また装着タイヤはスタッドレスタイヤとなっており、ノーマルタイヤの場合と燃費性能が異なる可能性がある点はご留意いただきたい。
3代目エクストレイルのトータル実燃費は13.37km/Lを達成
今回のテストではトータルで165.8kmを走行し、全行程を走り切ったトータルの燃費は13.37km/Lとなった。カタログのWLTCモード燃費は12.6km/Lとなっているので、カタログ燃費以上の数値を叩き出す実力があることが分かった。
それではここからは走行シーンごとの燃費や走りっぷりなどをお伝えしていこう。
3代目エクストレイルの「市街地・街乗り」での実燃費は10.4km/L
「タフギア」というキャッチコピーで一世を風靡したエクストレイルだが、3代目モデルは消滅してしまったデュアリスやムラーノと言ったモデルのユーザーの受け皿にもなるために、それまでのやや無骨なスタイルからスタイリッシュな都会的なデザインとなっている。
そのため乗り味も洗練されたものとなっており、SUVらしいタフな乗り味を想像していると拍子抜けしてしまうかもしれない。また水平基調のダッシュボードは視界もいいため、大きめのクルマに抵抗がある人でもスムーズに運転できそうな印象を持った。
市街地での走行もスムーズではあったが、ひとつ気になったのがアイドリングストップとブレーキホールドのマッチングだ。アイドリングストップからの復帰にやや時間がかかるため、発進しようとアクセルを踏み込んでブレーキホールドを解除しても動力が伝わらず、ギクシャクしてしまうのである。
ブレーキホールドを使用していなければブレーキから足を離した段階でエンジンが始動するし、アイドリングストップをしていなければスムーズにブレーキホールドの解除から発進となっていたので、どちらもONにした状態では少々慣れが必要となるかもしれない。
そんなことを考えながら走行した市街地では54.9kmを走行して10.4km/Lの燃費。年度末の最終日ということで交通量の多い中の走行ではあったが、リッター10kmを切らなかったのは優秀と言えるだろう。
3代目エクストレイルの「郊外路」での実燃費は13.5km/Lを記録
郊外路は若干のワインディング風な箇所も含むコース。キャラクター的にハンドリングが云々というクルマではないが、実際に走らせてみるとクセのない素直なフィーリングで、CVTもいわゆるラバーフィールはそこまで強くなく、違和感なく目的地までのドライブをすることができるだろう。
ここでは30.0kmを走行し、メーター上の燃費計は13.5km/Lをマーク。カタログ燃費は13.2km/Lだからほぼカタログ通りの性能ということになる。
実はこのエクストレイル、18インチとそれなりに大径のタイヤを装着していたのだが、ワインディングでバタつくこともなく、かなり乗り心地は良い印象。当たりの柔らかいスタッドレスタイヤであることを考慮しても、意外とコンフォータブルなクルマと言えそうだ。
3代目エクストレイルの「高速道路」での実燃費は16.5km/Lを記録
最後は高速道路を通るルートを振り返る。今回も芝公園出入り口から首都高に乗り、東京湾アクアラインを経由して圏央道の茂原長南インターで下りるルートで、総走行距離は80.9kmのルート。今回はプロパイロットに頼らない運転となったが、燃費は16.5km/Lとカタログ値の14.2km/Lを大きく上回る結果となった。
ここでも印象的だったのは車内の静粛性で、80km/h巡行でのエンジン回転数は1500回転以下。エンジン音はもちろんのこと、風切り音もそこまで気にならないレベルであったことは少々予想外だった。
ちなみに燃費測定とは無関係の場所でプロパイロットを試してみたが、エクストレイルに初搭載されたころよりも洗練された印象で、これなら十分実用に足ると感じたが、加減速が多いシーンでは回転数によって出力が異なるエンジン車の宿命か、やはりモーター駆動のe-POWERやBEV(Battery Electric Vehicle:バッテリー駆動の電気自動車)には敵わないと感じた。
デビューからまもなく9年が経過するモデルということを考えれば大健闘
今回の3代目エクストレイルの燃費テストは、街乗り・郊外路・高速道路と合わせて165.8kmを走り、総合実燃費は13.37km/Lであった。デビューからまもなく9年が経過するモデルということを考えれば充分健闘した数値と言えるのではないだろうか。
今回3代目エクストレイルに乗って感じたのは、あくまでこのクルマは“アクティビティの目的地に到着するまでの手段”であるということだ。
そのため、運転もしやすく乗り心地も良好。車内も静かでプロパイロットなども駆使すれば疲労感を感じることなく目的地に到着でき、思いっきりアクティビティを楽しむことができるだろう。
そういったクルマであるため、クルマを運転することが目的のクルマ好きには理解されないモデルかもしれないが、だからこそ登場から9年が経過する今でもコンスタントに売れていると言えるのかもしれない。
[筆者:小鮒 康一]
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