三菱自“エコカー専用”第三工場・自動車専用船 積み込み見学レポート/松下宏(1/3)

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:三菱自動車工業株式会社
三菱自“エコカー専用”第三工場・自動車専用船 積み込み見学レポート/松下宏
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好調なタイでの新車販売

近年の三菱自動車における経営戦略は、タイに軸足を置いてきていると感じる。2012年に発売したミラージュを生産するため、バンコク東部に輸出港のあるラムチャバンへ新しい第三工場を設けたほどだ。

第三工場の建設については、タイ政府がエコカー向けに投資減税政策を実施したことや、第一、第二工場の隣接地がたまたま売りに出されていたことなど好条件が重なったと説明するが、トラックから乗用車までを生産する第一、第二工場と違って、乗用車専用の工場を新たに作ったことにより、三菱自がタイ市場を如何に重視しているのかが分かる。

三菱自にとって、今やタイでの生産・販売台数は共に日本を上回っており、タイが自動車生産における最重要拠点となっている。

古くからタイで販売を開始している三菱自

そもそも三菱自がタイに進出したのは1961年と、三菱重工から三菱自動車が分離・独立する前からだ。組立を始めたのも1964年からで、早期からタイ市場に取り組んできたという歴史がある。

タイに進出した当初は現地資本との合弁会社だったが、1987年には三菱自動車工業が100%出資する生産・販売会社「ミツビシ・モーターズ・タイランド」(以下、MMTh)を設立し、さらに翌年の1988年には、税制へ対応するためMMThの100%出資により「MMThエンジン」という会社も作られている。

タイは遡れば1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショック、2011年の大洪水など、何度か危機的な状況に見舞われてきたが、そんな中で着実な復興を遂げ、現在は自動車市場も大きく盛り上がっており、三菱自の工場も生産に追われているような状況だ。

今回“エコカー専用工場”として建設され、ミラージュの発売に合わせて2012年3月に稼働を始めたタイの「第三工場」と、輸出埠頭を見学する機会があったのでお伝えしたい。

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松下 宏
筆者松下 宏

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