三菱 ギャランフォルティス 試乗レポート

三菱 ギャランフォルティス 試乗レポート
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再燃の威信を掛けた三菱セダン復活

三菱は以前、ディアマンテ、ギャランといったセダンをラインナップしていた。いまでもランサーを販売している。しかしギャラユーザーは多く、まだ15万台も市場にあるという。今回のギャラン・フォルティスはこの旧ギャランユーザーの獲得を狙ってのネーミングだ。

しかし、もともとランサーの後継車として開発してきたので、海外ではランサーを名乗っている。さらに、このクルマをベースにしたスポーツモデルのエボリューションモデルは、ランサーエボリューションXになる。

本来ならランサークラスとギャランクラスのセダンがほしいところだが、最近のセダン市場の不振と三菱の経営状況から2車種の発は無理がある。そこで、複雑なネーミングになったのだ。でも、1車種の開発に集中したことで、クルマの完成度はかなり高くなった。

ライバルはホンダ・アコード、スバル・レガシィB4、マツダ・アテンザだが、ギャラン・フォルティスの強味はスポーツ性と車両価格の安さだ。

ポイントは個性的な逆スラントノーズと台形グリル

ボディサイズはライバルたちとほぼ同じだが、ホイールベースと全長は短め。これがハンドリングのよさに結びついている。

スタイリングも個性的だ。とくにフロントマスクはバンパーよりもグリルのほうが前方に突き出ている逆スラントノーズを採用しこと。このフロントデザインは、三菱が1970年代のクルマから商品化してきたものだ。さらに台形のグリルもこれからの三菱車に生かされるデザインだ。

インテリアはブラック基調のシンプルなデザイン。アーチ状のインストルメントパネルが特徴になる。グレードはベーシックなエクシード、上級のスーパーエクシード、スポーティなスポーツの3タイプがある。スーパーエクシード系は木目調パネルとメッキを融合させたデザインが新感覚だ。

シートはエクシードとスポーツはスウェード調ニット、スーパーエクシードは人工皮革とレザーのコンビネーションを用いている。

軽量・小型化の4気筒2L MIVECエンジン採用

エンジンは全グレード共通の4気筒2L。新開発でアルミのシリンダーブロックやステンレス製エキゾーストマニホールドなどを用い、軽量、小型化している。153馬力という出力は2LNAエンジンとしては水準よりもやや上という数値だ。吸・排気バルブの連続可変バルブタイミング(MIVEC)も採用している。

組み合わされるミッションは6速スポーツモードCVT、5速マニュアルが選べる。5速MT車はギンギンに走るスポーツタイプではなく、日常にも使えるMT。クラッチペダルも重くなく、高回転ドライビングを楽しめた。CVTは金属音も抑えられており、アクセルレスポンスもよかった。

ハンドリングは重め。目地や段差越えのときにハンドルへの振動がやや大きい。乗り心地もややかためだ。試乗は18インチタイヤと16インチタイヤの2車種だったが、乗り心地も含めて乗りやすかったのは16インチ装着車だった。

完成度高いバリュープライスなサルーンは必見

ギャラン・フォルティスのポジショニングはむずかしい。ライバルとしてアコード、B4、アテンザをあげたが、フォルティスは2Lのノーマルエンジンだけ。むしろ、1クラス下のブルーバードシルフィやシビック。プレミオ/アリオンに近いエンジン構成だ。

しかも車両本体価格もFF、CVTのエクシードで178万5000円という低価格に設定されている。エクシードでも装備はハロゲンヘッドランプ、フルオートエアコン、MP3対応CDプレーヤー付オーディオ、セキュリティアラーム、イモビライザーなどは標準になっている。

ボディサイズも大きく、装備も揃っており、ドライバビリティも軽快感がある。しかも価格も安い。これだけの条件をクリアしていれば、ファミリーサルーンとして、かなりレベルが高いクルマといってよいだろう。

使い勝手のよい4ドアセダンのニューモデルが登場した。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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