MINI JCW PACEMAN 海外試乗レポート/西川淳(1/2)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:BMWジャパン
JCWの由来
JCW=ジョン・クーパー・ワークスの位置づけは、ミニラインナップの最上級グレードとなって久しいクーパーSベースの、さらに上級のグレードで、メーカー製コンプリートチューニングカーというのがふさわしい。
では、JCWとはそもそも何か・・・。
“ミニクーパー”が、ミニというクルマのほとんど代名詞と化すほどに、“クーパー”という単語には重要な意味があったはずなのだが、皮肉なことにミニクーパーがひとつの単語として一般化するにおよび、ほとんど忘れ去られてしまった。
『クーパー・カー・カンパニー』と聞いてピンと来るのはヴィンテージカーマニアか一部のレースマニアくらいのものだろう。“クラシック”ミニの可能性をいち早く見ぬき、それをベースに“クーパー”および“クーパーS”を作り上げて、レースやラリーで常勝を誇ったチャールズとその息子ジョンの会社である。
ジョンを中心に据えたJCWは、言ってみればクーパー・カー・カンパニーのその再来であり、最新ミニのラインナップモデルすべてに用意されているJCWモデルは、伝説のチューニングレーサー“クーパーS”の系譜が復活したということにほかならない。
それゆえ、ハッチバックのノーマルミニをベースとしたJCWは、スパルタン路線に徹していた。限定車のGPなどは、徹底的に“クーパーS”の現代版であろう。
まるでBMWのMスポーツ仕立てのようなチューニングで、上質&洗練のスポーティ・テイスト
とはいえ、“ビッグミニ”までJCW仕様に、という話になれば、ベースモデルの性格上、いくらWRCに出すからといって、ミニの歴史に沿ってスパルタンな仕立てにすることなど適わなかったようである。
先に試したクロスオーバー・オール4・クーパーSベースのJCWの乗り味は、未来のFF・BMWを想像させるに十分な、乗り心地の快適さと、気持ちのよいハンドリングを両立させていたのだ。決して、スパルタン一辺倒なクルマではなかった。
そして、このたび、ミニファミリーに加わった七人目の兄弟、クロスオーバーの2ドア版というべきペースマンにもJCWモデルが加わった。
クロスオーバーがミニ好きのファミリーユース層に支持されていたため、いかにJCWといえども「スパルタンなキャラクターにできなかった」という理屈は分かる。けれども、2ドアで大きいけれども、よりミニの思想に近いスペシャリティカー、ペースマンをベースにするのであれば、話はまた違ってくるのではないだろうか・・・。
そんな想像をしながらドイツに向かい、雪景色の残るフランクフルトとミュンヘンの間を、アウトバーンを中心に試乗してみれば・・・、2ドアモデル+JCW=きっとスパルタン仕立てという単純な期待は、あっさりと裏切られた。そのライドフィールは、あくまでもクロスオーバーJCWと同様に、上質&洗練のスポーティ・テイスト。
FFベースの4WDモデルではあるけれども、まるでBMWのMスポーツ仕立てのようなチューニングで、単なるスポーツ仕様を超えた、奥の深い乗り味を堪能することができた。
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