マツダ SKYACTIV搭載車 試乗レポート(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
次期デミオの燃費はハイブリッドカーと同等の「30km/L」に
そして、「SKYACTIVプラットフォーム」については
・車両で100kgを超える軽量化
・燃費3~5%改善と意のままのFun to Drive
を追求している。「SKYACTIVボディ」では、
・走る歓びを支える次世代の高剛性ボディ
・軽量化と優れた衝突安全性能を両立
・従来比8%の軽量化、30%の剛性アップ
「SKYACTIVシャシー」では、
・機能を徹底的に見直し、「人馬一体のドライビングプレジャー」を実現
・快適性や安心感を高め、大幅に走りの「質」を向上
・新開発軽量サスペンションと電動パワーステアリングの採用
・従来比14%の軽量化
を実現している。
パワートレイン系も印象的だったが、プラットフォームの変わりぶりもとてもインパクトがあった。マツダ車のフットワークは欧州でも評価されているにもかかわらず、現行車とプロトタイプを乗り比べると、現行車の乗り味がずいぶん古く感じられてしまうほどだった。
ポイントは多岐にわたり、挙げるとキリがないほどあるのだが、中でも個人的に感心したのは、リアサスのトレーリングアームの前側ピボットの取り付け点を上げたことによる走りの変化だ。
これについては、クルマの走らせ方の根本に関わるさまざまなメリットがあると思う。
まず、これによりブレーキング時にリアがリフトして前のめりになる感覚がとても小さく抑えられている。おかげで、フルブレーキングでもリアタイヤがしっかり接地しているので、挙動が乱れにくいし、4輪の接地性が上手く分散され、トータルでのグリップが増すので、制動距離が短くなる。
また、リアサスのストロークの仕方が変わり、路面からの入力がキャビンの方向に伝わるのではなく、トランク側に逃げるように伝わるので、突き上げ感も小さくなる。
製造にはとても手間がかかるそうだが、得られるメリットは非常に大きいといえるものだった。
燃費について総括すると、エンジンによる燃費改善は、SKYACTIV-Gが15%、SKYACTIV-Dが20%、トランスミッションによる燃費改善は、SKYACTIV-Driveが4~7%、軽量化による燃費改善が、従来モデルより100kg以上の軽量化により3~5%、その他プラスアルファにより、合計20~30%の燃費改善が見込めるとしている。
このSKYACTIVを搭載した車両の第一弾は、デミオに搭載され、2011年前半に日本で発売予定という。燃費についても、10・15モードで30km/Lを計画しているとのこと。
これは現在同クラスで最高のマーチ(26.0km/L)を大きく上回り、ハイブリッドカーであるインサイトやフィットハイブリッドと並ぶ数字である。
今回、SKYACTIVを搭載したプロトタイプに触れて、すでに出尽くした感もある既存の技術にも、まだまだ先があることを思い知った。
自動車というものは、新しいものに過度に頼らなくても、もっと良くなるものであるに違いない。ただ、SKYACTIVでやっていることは、とても画期的なのだが、ハイブリッドのような目新しさや一目瞭然のわかりやすさには欠けるため、一般ユーザーにはイメージしにくく伝わりにくいことも危惧されよう。
それをできるかぎりしっかりと伝えていくのが我々の使命だということを胆に銘じつつ、テストコースを後にした1日だった。
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