マセラティ クアトロポルテGT S 試乗レポート/石川真禧照(1/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:茂呂幸正
ようやく初代の志に戻ったのが、2003年にデビューした5代目。
日本人でピニンファリーナのチーフデザイナーだったケン奥山さんが手掛けた大型の4ドアスポーツセダンは世界的にヒットとなった。その美しいプロポーションはデビューから10年を経過した今でも十分に通用するスタイリングだ。
しかし、クルマの世界は10年も同じ形を生産していると、技術面での時代の変化が感じられるようになる。
動力性能よりも、エコ性能や安全性能の進化は早い。代替えユーザー対策も大切だ。
そこで、マセラティはクアトロポルテを6代目へと進化させた。
6台目クアトロポルテがボディを拡大させた理由は「Ghibli(ギブリ)」の復活
6代目クアトロポルテは、ボディをさらに拡大。
5代目も全長5.1m、全幅1.9m、ホイールベース3m強というサイズだったが、6代目は全長5,262mm、幅2,100mm、ホイールベースは3,171mmにもなった。しかし、ボディの60%をアルミにしたことで、車両重量は2トンを切った。5代目よりも100kg軽量化している。
スタイリングは5代目の“奥山”ラインを基本的に踏襲しているのだが、細かく見ていくと、かなり異なっている。個人的には5代目のほうが面と線の構成がシンプルで好きなのだが。
大型化したボディにより、メルセデスのSクラスロングやアウディA8と同じ土俵に立った。
この大型化の裏には次期「Ghibli(ギブリ)」が中型のスポーツセダンとなって復活することもある。次期Ghibliは今冬以降に日本にも上陸すると噂されている。
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