中嶋一貴/今井優杏の「あなたの愛車教えて下さい!」(3/3)

中嶋一貴/今井優杏の「あなたの愛車教えて下さい!」
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エコを推進するなら、クルマは止めるより流す!

―クルマ好きにしてみたら、夢のような世界ですね!

そのかわり街中では日本以上に厳しいです。

イギリスはコロニーのように街が点在してるんですが、街の入口と出口はレースのピットレーンみたいに30km/h限定で、守らなければ罰則も厳しいんですよ。

そういうメリハリがちゃんとある。

街中は歩行者とクルマがしっかり分類されていて、歩行者も守られています。たとえば日本ではクルマが左折すると、左折した先の歩行者も青信号ですよね?本来はどう考えても危険です。しかも無駄にブレーキを踏む回数が増える。

危ないならばクルマにブレーキをかけさせながら進ませるのではなく、はじめから左折は赤にするべきなんです。

―なるほど、今ハイブリッドカーに乗ってるから、信号などでの停車に敏感になられてるんですね!

そう、エコを推進するなら、クルマは止めるより流す、にした方がいいですよ。

―日本の交通法規は世界的に見ても異色ですよね。とにかくクルマは走らせないという方向にかなり重点を置いている。

僕からすると80km/hで高速道路の一番端のレーンを走ってる、とかいうのも信じられない。

たとえば100km/h制限の高速道路で仮定すると、70km/hで走ってる一般車を、90km/hリミッターのトラックが追い抜きます。その追い抜いたトラックに、今度は制限速度100㎞/hで走ってくる後続車が詰まる・・・こういうケースが罰せられないと、せっかくの流れも詰まりますし、ブレーキを踏む回数も増えガソリンを消費してしまう…悪循環だと思うんです。

別に違反するくらい飛ばせと言っているわけではないですよ。ただ、「流れ」というものをもっと個人が意識した方がいいと思います。

―むしろ70km/hで走ってる方が偉い、猫も杓子もスピードは悪しきモノ、という交通観は確かに、蔓延してますね。敢えて蔓延と私も言いますが。ではイギリスは運転しやすかったんですね?

しやすいどころじゃなく、楽しいんですよ、毎日の運転が!

―もしかすると日本でクルマ好きが減ってるのは、交通環境もあるかもしれない、と?

本当にそう思います。

究極に言えば、日本の法律は「クルマは極力走らない方がいい」という理論だと感じます。だって都内では走ればスグに信号で止められるような感じじゃないですか。

夜中でもクルマが殆ど通行しないだろう、というような人気のない交差点でも信号が稼働してる。

日本は『危険だから周囲を見よう』『自分の身を守るために信号を守ろう』『自分よりもまずマナー』という感じではなく、『規則だからとりあえず信号守っとけばいいだろう』というような意識を持ってる人が多いような感じですね。

何故その法律を守るのか?というところまで考えを及ばせていないと言うか…

―確かに、青信号なら携帯メールしながら信号を横断してる人とか、イヤホン聴きながら夜道を歩くとか、そういう意識から来ている行動なのかもしれませんね。

人間側の意識を変えて行かないとダメですね。『クルマは危ない』というだけの問題ではないし、歩行者にも交通社会の意識を高めていくべきですよね。

という意味で日本はクルマ環境に変に厳しいと感じるです。

何度も言いますが(笑)イギリスは規則よりもマナーを守るので、流れを乱さないし、運転自体も上手いです。車速が高いのでスピードにも慣れていて、日本で50km/hくらいのところはだいたい50マイル(約70㎞/h)制限です。

だからクルマが流れるし、運転も自然と上手くなる。…やっぱり、事故を起こさないために必要以上に遅く走らせるという考え方は疑問ですね。

―世界を転戦された一貴選手ですが、交通社会が成熟してると思ったのはどこの国でしょう?

ヨーロッパはやはり意識が高いです。マニュアル車率が高いので、そもそも運転が上手いです。タクシードライバー全員がセナ並みに運転が上手いのはブラジルなんですよ。

―おお~、それは動体視力とか本能とかのセンスの問題じゃないですか?基礎体力・身体能力が高いというか。

おそらくそうでしょうね、治安も不安定ですから、道徳心もマナーも決して成熟してるとは言い難い部分もあるんですけど、何故か上手いんです。

あと東ヨーロッパに行くとみんなビックリするくらい飛ばしてる!

―逆に「おい!」と思った国は?

中国ですかね。

―来ましたね~。

イギリスがマナーを重んじる国なので、中国はカルチャーショックでした。横入りも当たり前ですし、こちらが怒らないと割り込みがまかり通っちゃう。

首都高の入り口のようなところは5列くらいでV字になって進入しますから。

中国でのグランプリの時、F1関係者は道路が危険なので、自分で運転させてもらえません。現地でドライバーを雇うんですが、それがまたみんなすごく運転がアグレッシブで・・・

勢いだけはあるんですよ(笑)あと、トルコもやたら事故してます。

―う~ん、ところ変わればクルマ変わる、ですね。さて、今年から国内レースに拠点を移し、スーパーGTとフォーミュラニッポンに参戦されているわけですが、久しぶりの国内レースはどうですか?車両に戸惑いはありませんでしたか?

特にスーパーGTは、挙動が全然違うのでもちろん難しいですね。一番不安なのは車幅感覚!こればっかりは慣れなので、この大きいボディにいかに慣れるかがポイントです。

―フォーミュラニッポンはどうでしょう?こちらの方がF1に近いですよね?

はい、すんなり馴染めるのはフォーミュラニッポンなんですが、でもこれはこれですごく個性のあるフォーミュラカーなので、F1での経験だけで判断出来ないのが難しいところなんです。

でも僕自身、去年1年レースをやってないので、日本でレース出来ることがすごく楽しみです!単純にレースに出られるということが楽しみですね。

―プレッシャーも大きいと思いますが、ご活躍を期待しています!

今井優杏の「取材後記」

交通に関して、とても熱心に語って下さった一貴選手。ご本人が運転の際に気を付けていることは“隣の人が不快に思わない運転”だそう。う~ん、噂に違わぬナイスガイ!

ちなみに他に気になってるクルマはBMWの1シリーズだそう。コンパクトでハイスペックでちょっと特徴的なデザインが気になるそうです。

こちらも似合いそうですね!

中嶋一貴オフィシャルブログ

http://blog.kazuki-nakajima.com/

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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