ジャガー XJ 試乗レポート

  • 筆者: 帯津 冨佐雄
  • カメラマン:原田淳
ジャガー XJ 試乗レポート
スタリング タイヤ&アルミホイール フロントシート リアシート エンジン 試乗 トランクルーム ヘッドレスト部モニター フロントスタイリング 画像ギャラリーはこちら

意外に気さくさ「最高級車」のXJ

スタリングタイヤ&アルミホイール

ジャガーのXJシリーズが9年ぶりのリニューアルを受けた。

スタイリングはジャガー伝統の平べったくて、長くて、大きいまま。ひょっとすると変わったことさえ気がつかない人もいるかもしれない。ところが外観から受ける印象とは異なり、今度のXJシリーズはボディの構造体からしてまるっきりの新設計。ボディサイズが旧型と比べてひと回り大きくなっているにも関わらず、車重は40%も軽くなり、ボディ剛性は60%も向上している。

それから、9年間、イヤーモデルを更新するたびにつぎたして対応してきた安全装置や快適装備に関しても、このフルモデルチェンジを機に、一気に現代風に改められた。

ジャガーというブランドを知っている人は多いが、これまではジャガーをよく知っている人は少なかったと思う。何となく「敷居の高さ」につながっていたのかもしれない。が、高い敷居を乗り越えて、一歩踏み出すと、意外に気さくな「最高級車」に出会えるだろう。

格段の進歩を遂げより快適な走りを実現

フロントシートリアシート

試乗モデルはシリーズ中で最も廉価なXJ8 3.5を選んだ。というのもおそらくこのグレードがニューXJの主力になるからだ。

乗りこんでみての第一印象は「狭すぎず、広すぎない」感じのコクピットが心地いいということ。高級車の中には所在無いほど運転席が広かったり、逆に後部座席に気を使って小さかったりするものがあるが、ニューXJはドライバーズカーとしてコクピットのサイズにも十分な配慮が感じられる。

そして、旧型に比べてボディサイズは大きくなったものの、運転者からの見切りはニューXJのほうが断然よくなっている。走り出してしばらくは、このサイズにしてはタイトな道を走らざるをえなかったが、慣れない車幅を苦にすることはなかった。

剛性アップの恩恵か、それとも新開発のエアサスのおかげか、おそらくその両方だろうが、妙な捩れや悪い路面での突き上げもなく、また3.5リッターV8 は、アクセルの踏み出しから、「踏んだだけ」加速し、「放しただけ」きちんと減速してくれる気持ちいいエンジンで、乗りやすく、それなりに速い。扱いやすさという点でも、旧型から格段に進歩しているのはまちがいない。

英国車ならではのインテリアの落ち着き

エンジン試乗

インテリアに関しては、個人的にはまったく文句のつけようがないと思う。風合いのいいレザーと、上質なウッドでまとめられた室内は、英国車ならではの落ち着いた空間で、多少装備面では他グレードから落ちる3.5でも、不快に感じることはない。「機械が苦手」とか「装備にはこだわらない」という人には、むしろちょうどいいかもしれない。 エンジンも4.2リッターやスーパーチャージャーつきのグレードに比べればスペック的には劣るが、十分に速い。少なくとも、大排気量NAエンジンを積む高級車にありがちの、「最初はもっさり」という感じはない。

もうひとつつけくわえておくと、ステアリングがそこそこにダイレクトなところがいい。しっとりと重みがあって、長距離を走っても肩が凝ることはないだろう。

トータルバランスが極めて高いXJ8 3.5は、クルマとしてはお勧めだろう。また価格面でもエグゼクティブクラスのサラリーマンなら十分に射程圏内に入る。アフターフォローの体制も、XJのフルモデルチェンジを機に充実を図っているし、次の買い替えで選択枝の1つに加えていいと思うのだが……。

スーパーV8は乗り手によって豹変する

トランクルームヘッドレスト部モニター

ところでシリーズ中最も高価なスーパーV8にもちょっとだけ乗った。4.2リッターV8エンジンにスーパーチャージャーを加えたもので、 406ps/6100rpmのパワーと553Nm/3500rpmのトルクを誇る。スーパーカーなみにパワフルで、トラックなみにトルクフルなエンジンを 1.7トン弱のセダンボディが積んでしまったものだから、これはホットでないわけがない。

トルクもパワーも確かに電子的に制御されているので、さすがにホイールスピンをすることはなかったし、エアサスが車速に合わせて最適な設定を瞬時にしてくれるので、おそらく破綻はきたさないだろうが、やはりどこかで怖さを感じるほどだった。もしも試乗日が雨だったら、もう少し控えめな態度で、このクルマと向き合っただろう。

もちろん、こういうハイエンドなクルマは、圧倒的なパワーを「余裕」として楽しむもので、ガツガツして乗るものではないと思う。また、それを理解できる人にしか、乗ってはいけないクルマだとも感じている。

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筆者帯津 冨佐雄
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