ジャガーがあえてクロスオーバー車を造る意義とは/新型 SUV「ジャガー F-PACE」海外試乗レポート(4/5)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
オフロード性能も申し分なし
F-PACEの高速巡行が優れているのはインジニウムエンジンだけが理由ではない。組み合わされている8速ATの優秀性も無視できないだろう。走行状況に応じて、賢くキメ細かく変速をしていく。
もちろん、変速は素早く、ショックも皆無だ。このコンビネーションが高速巡行を快適なものにしていることは間違いない。この点も、XFと変わるところがない。
オフロードでの走りっぷりも申し分なかった。
ドライバーはアクセルペダルもブレーキペダルも踏むことなく、一定速度を保ったままクルマが急傾斜路を進んでいくことができるシステム「オールサーフェスプログレスコントロール」のおかげで、スキー場だったら上級者コースに分類されるような山の斜面や人工的に設けられた急坂を不安なく上がり下がりすることができた。
ランドローバーのエンジニアとも情報共有しオフロード性能を向上
タイヤの深さほどの大きな水溜りも難なく走り切ることができたのも、最低地上高を十分に確保してあるからだ。
オフロードでの走破性は第一に最低地上高、駆動力はその次に掛かってくる。三番目に重要なのはアプローチアングルとデパーチャーアングルで、これはボディの前後の形状による。F-PACEはこの点も吟味が行き届いていて、2日間の行程でボディのどこかが地面にヒットするようなことがなかった。
「開発チームの30名ほどのエンジニアはランドローバーのエンジニアたちと連絡を密にしている。F-PACEの開発では、とくにオフロードでのパフォーマンスを向上させるために情報を共有している」(デイブ・ショウ氏。ビークルエンジニアリング・マネージャー)
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