ヒュンダイ JM 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
乗用車感覚のクロスオーバーSUV ヒュンダイJM誕生!
乗用車系の基本コンポーネンツを採用して作られたクロスオーバータイプのSUV。乗用車感覚の乗り心地やハンドリングをSUVモデルで実現することを目指して作られた。ヒュンダイではすでにサンタフェというSUVを持っているが、大きめのサンタフェに対して小さめのJMという関係になる。小さめといってもボディの全幅は1795mmもあって、日本では3ナンバーサイズになる。
プラットホームはミドルセダンのエラントラ用がベース。搭載エンジンも乗用車系の直列4気筒2LとV型6気筒2.7Lの2機種。4気筒2L車はFF車のみの設定で、6気筒2.7L車は電子制御トルク・オン・デマンド式の4WD車のみの設定となる。
全幅の広さを生かした室内にはゆったりした空間が広がる。特にリヤシートを倒すとフルフラットで広々としたラゲッジスペースが作れるので、使い勝手の面でも優れている。ヒュンダイ車らしく価格設定が割安なのも魅力だ。
ヒュンダイらしいデザインの中に、シャープなラインがキラリと光る
外観デザインは、フロント回りのデザイン処理にサンタフェと共通するものがあり、ヒュンダイらしさが表現されているが、全体的には丸みを帯びたサンタフェに対してシャープなラインで構成されるJMという対比が明確にされている。ボディサイドのクリーンな面がJMならではの部分だ。ワイドフェンダーとサイドガーニッシュがワイドタイヤとのセットでオプション設定されており、これを装着したモデルでは引き締まった感じの外観となる。
インテリア回りでは縦長のデザインを採用したインストセンター部分が特徴的。しかもこれがドライバー側に向けてややスラントしており、乗用車的でタイトなコクピット感覚が演出されている。
ボディサイズとホイールベースから室内空間の広さには不満はない。強いていえば、フラットな床面を作るために床面地上高がやや高くなり、室内高が低めであるのが難点といえば難点。ただ乗降性はむしろスムーズで良いくらいだし、後席足元のニースペースも十分なものといえる。
エンジンもなかなかの実力。4WDも雪道などでの運動性能に期待が持てる。
エラントラに搭載されているのと同じ4気筒2Lエンジンは、CVVT(連続可変バルブタイミング)機構などによって106kwのパワーを発生する。このクラスのエンジンとして考えても十分な動力性能であり、SUVながら比較的重量の軽いFF車に搭載されることもあって、不満のない走りの実力を発揮する。ワインディングなどを積極的に走ろうとするとやや力不足の印象を受けることもあるが、市街地などを中心に使うなら文句のない実力だ。
V型6気筒の2.7Lエンジンは排気量の余裕もあってトルク感のある走りが可能。このエンジンは基本的にはトラジェやサンタフェなどに搭載されるのと同じだが、これらに比べて重量の軽いJMに合わせて専用のチューニングが施されている。車両重量は1500kgを超えるが、それを苦にしない走りが可能だ。
4WD車は電子制御トルク・オン・デマンド式の4WDシステムを採用する。ビスカスなどの機械式4WDに比べると、前輪がスリップした瞬間には後輪にトルクが伝達されているので、より高い悪路走破性が得られる。雪道の坂発進などで特に効果を発揮するはずだ。
この品質にしてこの価格は魅力的。浮いたお金でレジャーに出かける機会を増やそう!
ヒュンダイJMの大きな特徴は韓国車ならではの価格設定の安さ。FF車では200万円を大きく切る価格が設定され、2.7Lエンジンを搭載した4WD車に豪華オプションを装着したモデルでも250万円台の価格というのは、画期的な安さといえる。しかも最近のヒュンダイは目に見えて品質を向上させており、世界各国での評価も急速に高まっているだけに、この価格と品質のバランスは日本のユーザーにとっても大きな魅力になるだろう。
特に割安感が際立つFF車は、国産の1.5L級セダンを買うのとほとんど変わらないような予算で手に入れることが可能。アウトドアレジャーを楽しむときの足としてSUVを求めるユーザーにとって、極めて手頃な1台になるだろう。価格の安いJMを選べば、レジャー用具に使えるお金が多くなったり、あるいはレジャーに出かける回数を増やせる。そんな割り切った使い方をする若いユーザーにお勧めのクルマである。
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