空気抵抗が強いのにステップワゴンなどのハコ型ミニバンが売れる理由! 「広くて使いやすい室内」を印象付けるには四角いデザインが最適だった!

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2022年春にフルモデルチェンジするホンダ ステップワゴンのスタイリングが公開されて以来、SNSを中心に好印象という声が目立っている。とくに初代・2代目といったステップワゴンにとっての全盛期を思わせるシルエットが高評価につながっているようだ。

はたして、スクエアなフォルムの狙いはどこにあるのか。現時点で発表されている情報などから推測してみよう。

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  1. 最近のクルマは燃費性能を意識して全高の低い流線型になりがちだ
  2. ミニバンユーザーは車内の広さを重視する
  3. 運転のしやすさにも配慮したデザインになっている

最近のクルマは燃費性能を意識して全高の低い流線型になりがちだ

そもそも論として、スクエアなスタイリングというのは現在のトレンドからすると逆行している。世界的にクルマの電動化が進んでいるのはCO2排出量を低減するためで、ハイブリッドを含めたエンジンを積んでいるクルマであれば燃費を良くする必要がある。

燃費向上には、熱効率と伝達効率の改善と走行抵抗の低減を同時に進める必要がある。そして走行抵抗における主ファクターはタイヤの転がり抵抗とボディの空気抵抗だ。

空気抵抗は前面投影面積×空気抵抗係数で決まるので全高を低くすることは正義となるし、空気抵抗係数を下げるためには流線型のボディにしたい。そうした視点でいうと、新型ステップワゴンのボディ形状は真逆の方向に行っている。

ミニバンユーザーは車内の広さを重視する

しかし、それはステップワゴンが目指す機能、ユーザーニーズからすると当然といえる。ステップワゴンの属するMクラスミニバンにおいて優先順位の高さでいえば、一番に来るのは「広くて使いやすいキャビン」であることは間違いない。

その上で、経済性の高さ(省燃費性能)はライバルとの比較において無視できない要素となるが、燃費を稼ぐために全高を低くしてキャビンを狭くするというのはあり得ないカテゴリーのクルマなのだ。

実際、ステップワゴンは過去にそうしたアプローチで失敗している。センタータンクレイアウトによって低床化を進めることができた3代目ステップワゴンでは、従来と同じ室内高を、ボディ全高を低くして実現するというパッケージを提案した。

このアプローチは、ロジカルにみると使い勝手はそのままに空気抵抗を減らすという理想を追求したものといえるが、ユーザーには「全高が低く見える(きっと室内も狭いに違いない)」とネガティブな印象を与えてしまった。

それ以降、ステップワゴンはトヨタ ノア/ヴォクシー、日産 セレナといったライバルに置いていかれてしまったのだった。

そうしたライバルに追いつき追い越すには第一印象を良くすることが重要だ。新型ステップワゴンはスクエアで、いかにも「広そう」なスタイルを採用したのは、ユーザー心理からすると、まったくもって正しい判断といえるだろう。

とくにフロント周りをスクエアにするというのはキャビンの広さにはまったく関係ないのだが、人間の印象としては室内の広さを連想させる部分がある。その点においても新型ステップワゴンのスタイリングは絶妙だ。

運転のしやすさにも配慮したデザインになっている

また、従来のステップワゴンではフロントノーズをグッと下げて、空力特性を良さそうに見せていた。そうしたスタイリングにはスポーティに見えるというメリットもあるのだが、一方でノーズ位置を把握しづらいという欠点がある。その点においてアドバンテージを持っていたのが、旧型の時代からのトヨタ ノア/ヴォクシーだ。ボンネットのキャラクターラインを目印とすることで、自然とノーズ位置が把握しやすいデザインになっていた。

新型ステップワゴンについては、コクピットに座って確認したわけではないので想像するしかないが、ノーズ位置を含めた車両感覚のわかりやすさという点では、かなり改善していると予想できる。それもスクエアなフォルムを選んだことでのメリットだ。おそらく、これは副産物ではない。

トヨタ ノア/ヴォクシーの取り回しやすさにつながるボンネット形状はエンジニアであれば認識していたであろう。そうした点も含めて新型のスクエアなシルエットが生まれてきたといえるだろう。

とはいえ、単純にライバルをキャッチアップするだけであれば、押しの強いギラギラとしたフロントグリルを与えたはずだ。

あえて、プレーンな印象を与えてきたのは「家族の笑顔」を目指したゆえであろう。その意味では、クリーンでシンプルをキーワードにした新シリーズ「AIR」が、新型ステップワゴンの世界観を強く表現しているといえそうだ。

【筆者:山本 晋也】

ホンダ/ステップワゴン
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14.8万円465.5万円

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山本 晋也
筆者山本 晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ1969年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、雑誌編集長などを経て、2010年代からWEBを舞台に自動車コラムニストとして活動している。タイヤの数や有無にかかわらずパーソナルモビリティの未来に興味津々。「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることもポリシーのひとつ。個人ブログ「クルマのミライ」やYouTubeチャンネルでも情報発信中。記事一覧を見る

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監修者なかの たくみ (MOTA編集長)

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