F1の夏休みはFIAの監視下でメールすら出せない「強制的な活動休止命令」発令!?(1/2)

F1の夏休みはFIAの監視下でメールすら出せない「強制的な活動休止命令」発令!?
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2016F1グランプリは、21戦中12戦を終了して、夏休みに入った。

夏休みというとのんびりムードに聞こえるかもしれないが、F1の夏休みは、『強制的な活動休止命令』が発令される。開発コストを下げるためだ。

常に速さを求めて研究開発をしたがるのがデザイナーやエンジニア。本当のところ、どこかで誰かが内緒で開発作業をしているのではないか、と疑っているのだが、実はなかなか厳しい。例えば、チーム関係のメールのやりとりまでFIAがチェックして“ちゃんと休みなさい”というおふれが出る。

マシン開発が制限の中で行なわれつつ、F1は日進月歩の世界、殺人のない戦争と言われるわけだが、F1グランプリを戦うチームは同じF1チームでも実はさまざまな“形”がある。今回は、“F1チーム”にスポットを当ててみよう。

スクーデリア・フェラーリ

スクーデリア・フェラーリF1スクーデリア・フェラーリF1

スクーデリアはイタリア語でチームを意味する。2016シーズンは、メルセデスAMGチームが圧倒的なポテンシャルを誇り、そこにレッドブルF1チームとスクーデリア・フェラーリF1が追従する形で進んでいるが、F1グランプリといえばフェラーリだ。

その理由は、1950年にF1グランプリが現在の形になってから、参戦を継続している唯一のチームだからだけではない。フェラーリのフェラーリたる所以は、生産車の宣伝のために参戦しているのではなく、F1活動をやるために生産車で稼いでいるというスタンス。

基本的な成立理由からして他チームとは別格だ。今は若干流れが変わったけれど、“F1はドイツのテクノロジーとイタリアの情熱に支えられている”と言われていた。イタリアの情熱は、言うまでもなくフェラーリだ。

1988年に作家の村上龍さんの案内役として13戦のF1グランプリを一緒に巡ったが、村上さんはフェラーリを讃えて、「イタリアは国家のイメージを高めた功績として、フェラーリに勲章を出すべきだ」とおっしゃった。まさしく、フェラーリはそういう存在だ。

F1ドライバーは例外なくフェラーリのドライバーになりたがる。ワールドチャンピオンになることと並ぶ夢。フェラーリがF1の象徴だからだ。マシンのコクピット脇には、ドライバーの名前が貼られている。それを目にしたドライバーの気分を考えている。気遣いが歓迎ムードを高め、結果としてチームが結束して力を出す、という図式だ。

ブリヂストンからフェラーリF1チームに移籍した浜島裕英エンジニアは、最初にマラネロを訪れた時に、社長のルカ・ディ・モンテゼモロから直々に歓迎の言葉をかけられて感動したそうだ。「アパートを探さなければ、と悩んでいたら“心配するな”と言われました。すでにアパートを契約してくれていたんです」。浜島さんは当然、やる気になった。

マクラーレン

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マクラーレンも他のチームと一線を画している。F1に参戦することで“マクラーレン”というブランドを構築しようとしているからだ。すでに、マクラーレンF1を筆頭に市販車のラインナップをそろえているが、F1グランプリの場で戦うことでブランドイメージを高め、そのブランドをビジネスにつなげるF1の“活用”のさせ方が独特。

マクラーレンの名を高めたひとつに、テクノロジーセンターと呼ばれるガレージがある。ジャンボジェット機が9機納まる広大な敷地面積を誇る建物は、香港空港のデザインを手がけたノーマン・フォスターの作品。近代的なイメージで他を圧しているが、テクノロジーセンターの落成式にはエリザベス女王が参列した。日本のレーシングチームのガレージの落成式に天皇陛下が参列したのと同じことだ。

チームの総帥ロン・デニス代表の徹底した思考回路でチームが運営される。規律に厳しいデニス代表は、冷徹な人物と誤解されがちだが実は浪花節。

1997年の鈴鹿でミカ・ハッキネンがワールドチャンピオンを決めた前日の夜8時、チームに国際電話をかけた。8時間の時差で英国は昼時。社内のレストランに集まった社員に“日本で我々ががんばれるのは君たちのおかげだ”と呼び掛けた。

ちなみに、アイルトン・セナがマクラーレンを去ってウィリアムズに移籍したとき、一人もセナについてチームを去った者がいなかった。大物ドライバーの移籍には、エンジニアや周辺のスタッフが一緒に移動するのが自然だが、マクラーレンの居心地のよさを証明する逸話になった。

ついでに、世界一のフライト数を誇るロンドンのヒースロー空港の管制システムに、F1グランプリで培ったマクラーレンのノウハウが採用されていることは余り知られていない。

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山口 正己
筆者山口 正己

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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