【評論家レビュー】ホンダ 新型N-ONE e:、“買い”なのはどんな人? 忖度なしで長所と短所を徹底評価

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2025年内に登場が噂されるホンダの新型軽EV「N-ONE e:」。

そのレトロで愛らしいデザインとは裏腹に、走行性能には高い評価が下される一方、居住性には厳しい意見も。果たして「買い」なのか?

この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが専門家の視点から外観、内装、走り、そしてライバルとの比較まで、新型N-ONE e:の実力を徹底的に解剖し、その期待と課題を明らかにします。

目次[開く][閉じる]
  1. ホンダの軽EV「新型N-ONE e:」とは?
  2. 新型N-ONE e:のレビュー
  3. 【外観評価】運転のしやすさに配慮したデザインが高評価
  4. 【内装評価】機能美あふれる水平基調デザインが◎! シフトは賛否あり
  5. 【居住性レビュー】運転席は快適そのもの! しかしファミリーユースには不向きか
  6. 【走行性能レビュー】専門家も驚愕! モーターが生む異次元の加速と安定性
  7. 【ライバル比較】日産「サクラ」との決定的な違いとは?
  8. 新型N-ONE e:の良い点、気になる点
  9. 新型N-ONE e:をおすすめできる人

ホンダの軽EV「新型N-ONE e:」とは?

ホンダの新型「N-ONE e:」は、同社の人気軽自動車「N-ONE」をベースに開発された、新しい電気自動車(EV)です。

N-ONEが持つレトロで愛らしいデザインコンセプトを受け継ぎながら、パワフルなモーターと日常使いに十分な容量のバッテリーを搭載。

軽EV市場で先行する日産「サクラ」の航続距離が180km(WLTCモード)であるのに対し、新型N-ONE e:はそれを大幅に上回る約270kmを実現。日常使いでの安心感という点で大きなアドバンテージを持ち、強力なライバルとして注目されています。

主要スペック数値
最高出力

47kW(64馬力)

最大トルク

162Nm(16.5kg-m)

バッテリー総電力量

29.6kWh

一充電走行距離(WLTCモード)

約270km

新型N-ONE e:のレビュー

新型N-ONE e:の5段階評価は以下の通りです。

次の項目からは外観や内装などポイントごとに詳しく解説します。

外観

4.0

★★★★☆

内装・居住性

3.0

★★★☆☆

走行性能

4.0

★★★★☆

運転のしやすさ

5.0

★★★★★

乗り心地

4.0

★★★★☆

電費

5.0

★★★★★

価格の割安度

2.0

★★☆☆☆

【外観評価】運転のしやすさに配慮したデザインが高評価

N-ONE e:の外観は、ベースとなったガソリンモデルのN-ONEのイメージを踏襲しつつ、EV専用のデザインが随所に施されています。

フロントマスクは専用デザインとなり、特にボンネットは前方への傾斜を抑えた水平基調に変更されました。これに伴いフロントフェンダーの形状も変更されています。

このデザインの恩恵は見た目だけではありません。

運転席からボンネットがしっかりと視界に入るため、車両の先端や車幅感覚が掴みやすく、混雑した市街地や狭い駐車場での取り回しはN-ONE以上に容易であると高く評価できます。

【内装評価】機能美あふれる水平基調デザインが◎! シフトは賛否あり

新型N-ONE e:の内装も外観同様、水平基調を強めた専用デザインのインパネが採用され、スマートフォンなどが置けるワイドなトレイが機能性を高めています。

メーターはEVに必要な情報(バッテリー残量や航続可能距離)を簡潔に表示。

シフト操作系はホンダのハイブリッド車で多く見られるプッシュボタン式が採用されています。デザインの自由度や車内空間の有効活用といった大きなメリットがある一方で、操作の直感性では従来のレバー式に劣るという側面があります。

この操作性については専門家の間でも賛否が分かれるところです。

【居住性レビュー】運転席は快適そのもの! しかしファミリーユースには不向きか

新型N-ONE e:のフロントシートは、注目すべき大きな改善点です。

ガソリンモデルのN-ONEでは小さく感じられた座面とサポート性への不満が指摘されていましたが、新型N-ONE e:では骨格をN-BOXと共通化。

これにより座面幅が広がり、伸縮性のある生地と相まって腰のサポート感は格段に向上しました。

一方で、リアシートの居住性には注意が必要です。床下に駆動用バッテリーを搭載するため、フロアがN-ONEより27mm高くなっています。

その結果、着座時に膝が持ち上がる姿勢になり、大腿部へのサポートが不足気味に。

大人4名の乗車は可能ですが、後席は窮屈感が否めず、ファミリーカーとしての使用には適さないでしょう。

【走行性能レビュー】専門家も驚愕! モーターが生む異次元の加速と安定性

N-ONE e:の真価は、その走行性能にあります。パワーユニットは軽商用EV「N-VAN e:」の上級グレードと基本的に共通で、最高出力47kW(64馬力)、最大トルク162Nmと予想されます。

スペックから読み取れるのは、エンジン車にはない電気モーターならではの走行フィールです。アクセル操作に対して遅れなく最大トルクを発生させるというモーターの特性上、極めて力強い瞬発力と滑らかな加速が得られるでしょう。

加えて、燃焼音や振動を伴わないため、高い静粛性も実現されると考えられます。

さらに、N-ONEが持つ元々の低い車高に加え、重量物であるバッテリーを床下に搭載することで、重心はさらに低下。これにより走行安定性は非常に高く、カーブで車体が左右に振られる感覚が少ないため、乗り心地にも良い効果をもたらすであろうと評価できます。

【ライバル比較】日産「サクラ」との決定的な違いとは?

軽EVの購入を検討する上で、ライバルとなる日産 サクラとの比較は欠かせません。

車種最高出力最大トルクバッテリー総電力量航続距離(WLTC)
N-ONE e:

47kW (64馬力)
(予想)

162Nm
(予想)

29.6kWh

約270km

サクラ

47kW (64馬力)

195Nm

20kWh

180km

新型N-ONE e:の最大の強みは、サクラを90kmも上回る約270kmの航続距離です。これにより「電欠」への不安が大幅に軽減され、使い方次第では週に一度の充電で済むという利便性をもたらします。

ただし、トルク性能ではサクラが勝っており、後席の居住性や内装全体の質感においてもサクラに軍配が上がります。どちらを選ぶかは、何を重視するかによって判断が分かれるでしょう。

新型N-ONE e:の良い点、気になる点

これまでの評価をもとに、新型N-ONE e:の良い点、気になる点をまとめました。

新型N-ONE e:の良い点

・モーター駆動による滑らかで静かな加速性能

・EVならではの優れた環境性能と安い走行コスト

・車両感覚が掴みやすく、市街地での運転が非常にしやすい

×新型N-ONE e:の気になる点

・床が高く、膝が持ち上がってしまう後席の窮屈さ

・補助金を活用しても、なお高額な車両価格

・数年後のリセールバリュー(売却価値)が不透明

新型N-ONE e:のグレード別の金額や補助金などの情報は下記の記事をチェック!

新型N-ONE e:をおすすめできる人

ここまで専門家の評価を元に新型N-ONE e:の外観、内装、居住性、走行性能、ライバルとの比較を解説しました。

結論として、この車は「際立った長所」と「明確な短所」を併せ持つ、非常にキャラクターがはっきりした一台だと言えます。

N-ONE e:の最大の魅力は、軽自動車の常識を超える「走行性能の高さ」と、ベースモデルから受け継いだ「愛らしいデザイン」です。モーターによる静かで力強い加速、そして低重心が生む安定した走りは、毎日の運転を楽しいものにしてくれるでしょう。

一方で、後席の居住性には大きな課題があり、大人4人が快適に乗れるファミリーカーとしては推奨できません。

これらの評価を踏まえると、N-ONE e:は以下のような方にこそ、最高の選択肢となり得ます。

N-ONE e:をおすすめできる人

・主に1人〜2人で車を利用する方

・運転そのものを楽しみたい方

・デザインにこだわりがあり、おしゃれな車に乗りたい方

・軽EVの中でも、航続距離の長さに安心感を求める方

上記に当てはまり、後席の狭さという弱点を許容できるのであれば、新型N-ONE e:はカーライフを豊かにしてくれる、非常に満足度の高いパートナーになるはずです。

ディーラーでの試乗は2025年9月頃から実施されると予想されます。

購入を検討される際は、ぜひ一度試乗して、その走りの質や後席の広さを確かめてみることをおすすめします。

新型N-ONE e:のグレード別の金額や補助金などの情報は下記の記事をチェック!

新型N-ONE e:のより詳細な画像を見たい方は下記の記事をチェック!

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部】

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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