ホンダ 新型N-WGN試乗|新型N-WGNはN-BOXもびっくりの出来栄えだった(1/2)

新型N-WGNはN-BOXと堂々と戦えるクルマに生まれ変わった

今、日本でもっとも売れているクルマはご存知、ホンダ N-BOXだ。スーパーハイト系軽自動車のホンダ N-BOXを抱する第二世代ホンダNシリーズの最新作が、ハイト系軽自動車のホンダ N-WGNだ。

Nシリーズの中でもスポーティーなキャラクターを与えられていた先代(初代)N-WGNはこれまで、N-BOXの陰に隠れた存在であり、圧倒的な人気と販売台数を誇るN-BOXに対して、各社ハイト系軽自動車の6台中、5位に甘んじていたのだ(2018年のデータ)。

しかし、ニューシンプルをテーマにした新型N-WGNは、最初に言ってしまえば、王者N-BOXと堂々勝負できるほどの快作に仕上がっていたのである。

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VW ポロを目指して作ったってマジ?

何しろ、ベンチマークとしたのはN-BOXでも同ジャンルのライバルでも、上級車のフィットでもない、歴代が世界のコンパクトカーの基準ともなっているVW ポロ(ボディーサイズやホンダのエンジニアが認める走行性能を備えた先代型)なのである。

新型N-WGNは上級車と顔負けの最新技術を全部乗せ

プラットフォーム、NAとターボの2種類のエンジン、CVTは基本的にN-BOX譲り。

だが、ジェイドRSやヴェゼルRSに使われるCVTのブレーキングによって減速制御を行うステップダウンシフト、リニアな加速感をもたらすGデザインシフト、新制御ロジックのパワステ、より安定方向に振られたアジャイルハンドリングアシスト、フリクションを低減するサイドフォースキャンセリングスプリング採用のフロントサスペンション、テレスコピックステアリング、リンク式ペダルなど、上級車譲りのホンダの最新技術を惜しみなく投入しているのだからびっくりである。

渋滞対応付きACCが「全車標準」にしたのはアツい! しかも127万円〜

しかも、全グレードに標準装備される先進安全支援機能のホンダセンシングは、夜間の歩行者の検知性能を向上させ、横断自転車をも検知する自動ブレーキや車線維持支援システム、前後誤発進抑制機能(ブレーキ機能はなし)などのほか、ついに0〜135キロで作動する渋滞追従型ACC(アダプティブクルーズコントロール)を、ホンダの軽自動車として初採用。

走行性能はもちろん、先進安全支援機能についてもクラスをリードする存在になったというわけだ(ハイト系ワゴンのACCは日産 デイズの場合、ハイウェイスターのプロパイロットエディションのみの設定。三菱 ekワゴン、ekクロスは一部グレードにオプション。ダイハツ ムーブ、スズキ ワゴンRはACC未設定)。

まゆ毛付きのオメメがかわいい標準車は軽史上最高のデキ?

さて先代の角目から、まゆ毛付き!? の丸目になった、ニューシンプルをより強くアピールする標準車のNAモデルの運転席に着座すれば、ふんわりとしたソファ感覚でありながら、上半身を体重によってしっかりとサポートしてくれるシートのかけ心地の良さ、自然なペダル配置とドライビングポジション、全方向の視界の良さに納得だ。

N-WGNのノンターボは出足のトルクなどスムースさはピカイチ

走り始めれば、出足のトルク感、スムーズさはハイト系ワゴンのNAモデルとして最上級と言っていい。パワーステアリングは穏やかなレスポンスを示すとはいえ(カスタムターボ比)「切る」「戻す」の両方向ともに実にスムースだ。

そしてクルージング中の車内の静かさ、14インチタイヤによる段差やマンホールをしっかりしなやかにこなす乗り心地は、どう見ても軽自動車らしからぬレベルと言っていい。動力性能そのものは平たん路であれば、一般道、高速道路ともに必要十分以上。80〜100km/h巡航も楽々こなす実力だ。登坂路や合流などでのフル加速時にターボとの差が気になる程度なのである。

ホンダ/N-WGN
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新車価格:
134.4万円197万円
中古価格:
17.8万円228万円
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青山 尚暉
筆者青山 尚暉

学生時代はプロミュージシャン、その後自動車専門誌2誌の編集を経てフリーのモータージャーナリストに。現在は自動車業界だけでなく、愛犬のラブラドールとジャックラッセルとともに、愛犬との快適で安全なクルマ旅を提案するドッグライフプロデューサーとしても活動中。また、クルマのパッケージを寸法で比較するため、独自の計測ツールを開発。1台につき25項目以上を詳密計測。実用性の目安として、記事中で展開している。現在、自動車用純正ペット用アクセサリーの企画、開発も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

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