ホンダ レジェンド 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:難波賢二
国産セダンで初の300馬力 ホンダレジェンド最速のセダンとしてデビュー
ホンダの最上級セダンとしてデビューしたレジェンドは、今回の新型で4代目になる。新レジェンドはこれまでのモデルとは、かなりコンセプトを変えてきたのが特徴だ。
これまでのモデルもかなりパーソナルユースを重視してきた。それ以上にオーナードライバー向けのクルマに仕立てたのだ。ここまで割りきったことで、クルマの方向性は実に明快になった。
ホンダらしさを前面に打ち出したのだ。それは、気持ちのよい走りの実現だった。必要なのは、強力なパワーと、常に安定した操縦だ。
そのために、エンジンはV6の3.5Lを採用。VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)などで300馬力の最高出力を絞り出したのだ。これまでの国産セダンのなかで史上最強のモデルになった。このパワーを路面に伝えるのが新開発の4輪駆動力自在制御システム(SH-AWD)。最速セダンが誕生した。
質感のあるインテリアはこれまでのホンダ車にはない味を出している
レジェンドはアメリカでも「アキュラ」店の最上級モデルとして販売している。そこで、ボディサイズも大きくした。全長4930mm、全幅1845mmというサイズは、日産フーガやトヨタ・クラウンアスリートよりも大きい。とくに、全幅を1.8m以上したことは、国産の上級セダンとして、英断だった。
ただし、実車を見るとスペックほどの大きさはあまり感じない。これはフロントマスクやリアのデザインの影響だと思う。もう少しワイド感を強調したほうが、最上級モデルらしい押し出しが効いたはずだ。
インテリアはとても質感がある。とくに運転席側のドアから助手席側のドアまで全面に限られた木目パネルは、これまでのホンダ車にはないデザイン。カーリーメイプルという本木目(天然木)を採用している。
リアシートもシートは大きく、ゆったりしている。足元も狭くはない。中央席も身長170㎝までなら十分に実用になる広さが確保されている。
的確に路面に駆動力を伝えるSH-AWDにより、意のままのハンドリングを可能にした
V6、3.5L、300馬力エンジンは、5速のマニュアルシフトモード付Sマチック。さらにSH-AWDが的確に路面に駆動力を伝える。
300馬力のパワーだが、凄いという感じはしない。トルクはもちろん太いのだが凄味はない。1780㎏という車重と、上級4ドアセダンという性格なので、この味付けは正解だ。もちろん0→100km/h加速は7~8秒台なので十分に速い。とくに、マニュアルモードを選択し、ステアリングシフトでワインディングを走っているときは、クルマの大きさも、性格も忘れて、ついハードな走りを楽しんでしまう。このときに助けてくれるのがSH-AWD。走行条件に合わせて駆動力を前後輪だけでなく、後ろ左右輪にも振り分けてくれるのだ。このおかげでコーナーは何事もないようにクリアする。まるで自分の運転技術が向上したかのように錯覚してしまう。
本当に凄い技術をホンダは現実にしてしまった。
ホンダの最上級セダンとして、大人の落ち着きを感じる
4代目へと進化したレジェンドは国産乗用車史上、初のオーバー280馬力で、300馬力を達成したエンジン(しかも4ツ星の環境エンジン)や、SH-AWD技術などが話題になっている。
この技術やスペックを見ると、どんなにスポーツ心があふれたセダンなのかと思ってしまう。でも、実車はそれほどにスポーツ心を前面に出しているわけではない。むしろ、ホンダの最上級セダンとして、大人の落ち着きを感じてしまう。
トヨタや日産が、このクラスのセダンをなんとか若者受け(といっても40代だが)させようと苦心しているのに対し、ホンダはむしろ、いかに大人のユーザーに受けるかを考えて、クルマをデザインしたかのように思える。
車両本体価格は525万円(消費税含む)と高価だが、見た目の高価感は薄い。目立つことが好きでないが、走りの楽しみは味わいたいという控え目なスポーツマン向きのクルマだ。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。