日本版コンシューマレポート-ホンダ インサイト ユーザー試乗レビュー-(4/6)
- 筆者: 桃田 健史
インサイトのユーザー評価・レビュー/試乗
総じて、評価は「高めで安定」した。中でも「車内がとても静かだった」が全体で53.3%、同設問の乗車構成別「大人2人」では77.8%と高レベルだった。
ただ、「年齢構成別」の20代では「車内で音が大きかった」が25%となった。
こうした、聞こえる音の強弱、音の種類についての解析は、自動車メーカーの開発陣にとって大きな悩みだ。計測機器が拾える音=人が聞こえる音の全て、ではない。さらに、電気デバイスが増えるハイブリッド車では「これまでになかった音」も生まれる。
インテリアの項で取り上げた「車内の広さへの評価」では、「実物より大きなクルマに乗っている感じがした」が全体で26.7%、「実物より小さいクルマに乗っている感じがした」が同16.7%。これは前席乗車のイメージであり、評価としては、まあまあ。なお、コメントの中には後席乗車でかなり厳しい声もあった。
視界性では「視界が良く、運転が楽だった」が同36.7%、「視界が思ったより、良くなかった」が30.0%と、良し悪しが均衡。視界の悪さの指摘は、後退時など後方視界についてだと考える。
また「メーターの表示が多くて、運転に集中出来なかった」は全体で23.3%、「乗車構成別」の「大人二人」では同設問は33.3%となった。だが、インテリアの項でも書いたように、この「マシン感」はネガティブではなく、購入動機に直結する可能性もある。
ハイブリッドシステムの走行感については、プリウス編でも書いたように、ユーザーによる短時間試乗での評価は難しい。
コメントのなかには「ハイブリッド感がある、ない」といった表記があった。これは、モーターのアシスト感のことだ。ホンダのハイブリッド、IMAの論理は、「シンプル、軽量、小型化」である。よって、より高価で複雑な機構を持つ「プリウス」搭載のトヨタTHSIIと比べると、EVモードがないなど、「インサイト」にはユーザーご指摘の「ハイブリッド感」が少ないのは当然だ。
さらに、ガソリンエンジン本体の排気量も、プリウスが第二世代から第三世代にかけて1.5リッターから1.8リッターへ拡大。対する「インサイト」は、ホンダIMA哲学を貫き、「たった1.3リッターでこの走り」であることを、お忘れなきよう。
また、「キビキビ走る感じがした」が全体で36.7%、「乗り心地が硬かった」が同23.3%だった。
筆者はこれまで、日米で度々「インサイト」「プリウス」を比較試乗している。そこで感じるのは「インサイト」の走りの良さ(=サスペンションとハンドリングの相性の良さ)だ。
ユーザー指摘の「乗り心地が硬い」というのは「ガッシリ」の部類に入ると思う。またプリウス編で記載した通り、同車の乗り心地には「角が残っている」。
インサイトとプリウスを「運転のし易さ」として評価するなら、「インサイト」に軍配が上がる、と筆者は思う。
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