ホンダ CR-Z MUGEN RZ[無限コンプリートカー] 試乗レポート／国沢光宏(2/2)

エンジン最高出力は120馬力から156馬力へとアップ！

CR-Z MUGEN RZ、まずスポーツモデルの魂たるエンジンから。

排気量は1.5リッターのままスーパーチャージャーを装着している。最大ブースト圧はおよそ0.5バールなので、それほど無理していない。どちらかといえば最高出力よりドライバビリティ重視か？ それでも最高出力は120馬力から156馬力に向上。

モーター出力についちゃ20馬力で同じ。これまたパワーアップの余地を残しているだろうけれど、今回は信頼性など考えそのままにしている。モーターの出力を上げようとしたら、電池の性能なども合わせなければならない。おそらく次の「進化」の時の大きなテーマになると思う。

ワインディングでは2リッター級スポーツと互角の実力

絶対的な出力は156馬力＋20馬力モーターだからして十分。エンジンパワーが大きく勝っているためモーターの存在を感じないほどだ。6速マニュアルミッションを使いこなせば、ワインディングロードで2リッター級のスポーツモデルと互角で走れるんじゃなかろうか。

数少ない「要改良」はシフトアップ時のエンジン回転数。クラッチ切った瞬間、回転数が下がらない。おそらくスーパーチャージャーが慣性で動いてしまっているのだろう。少しばかり違和感あります。もう少しリニアなフィーリングになったら文句なし。さらにパワー上げたっていいと思う。

300台限定のコンプリートカー、手にするなら急げ！

エンジン以上に好ましく仕上がっていたのが足回り。

専用チューンのショックアブソーバーに交換されており、サーキットでも通用しそう。もちろん良質のショックアブソーバーだからして道路のデコボコを全て伝える安っぽい乗り味じゃない。上質のチューニングカーと同じように「硬いけれど快適」である。

チューニングカーの文法通り、ブレーキまで変更されているそうな。

今回は一般路だったのでブレーキの容量までチェック出来なかったけれど、ペダルのタッチ＆コントロール性共に上々。サーキットを走ってもオーバーヒートしないだけのスペックを持っているという。

その他、シート地に『ラックス スェード』を採用した専用シートや本革ドアトリム、ブーストメーター、限定数を刻んだシリアルナンバー、カーボン製シフトノブ＆シフトガーニッシュ、キッチリとダウンフォースを稼ぐリアウイング、同じくマイナスリフトを実現しているフロントのアンダースポイラーなども装備している。

価格は449万4千円[消費税込み]。全国のHonda Cars(ホンダ販売店)の中のCR-Z MUGEN RZ取扱店で買える。ただし300台限定なので、売り切れたらオシマイです。11月26日の発売開始から、もう100台以上も受注しているそうな。

「Honda CR-Z MUGEN RZ」主要諸元

全長x全幅x全高：4100x1740x1380mm／ホイールベース：2435mm／車両重量：1188kg／乗車定員：4名／エンジン種類：直4 SOHC i-VTEC + スーパーチャージャー／総排気量：1496cc／エンジン最高出力：156ps(115kW)/6600rpm／エンジン最大トルク：18.9kg-m(185Nm)/5200rpm／電動機(モーター)：交流同期電動機(薄型DCブラシレスモーター)/144V[定格電圧]／電動機(モーター)最高出力：20ps(15kW)/2000rpm／電動機(モーター)最大トルク：8.0kg-m(78Nm)/1000rpm[エンジン始動時、9.4kg-m(92Nm)/500rpm]／動力用主電池(IMAバッテリー)：リチウムイオン電池／トランスミッション：6速MT／タイヤサイズ：205/45R17 84W／メーカー希望小売価格：449.4万円[消費税込み]／全国限定販売台数：300台