“希少性”ではなく、使ってナンボのモデル「シビック タイプR」 ~エンジニアが込めた想いとは?~(1/4)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂幸正/和田清志
エンジニアが新型シビック タイプRに込めた“想い”とは?
限定750台に対して1万人以上の応募があったと言うホンダの新型シビック タイプR。
恐らく先代のシビック タイプRユーロ(FN2)導入時に、限定2010台を売り切った後に1500台を追加販売したら、それが全然売れずに大変な想いをした反省から、台数設定は慎重になりすぎてしまったと言う話も聞く。日本でこのクルマを体感できるのは、たった750人、もちろん並行輸入と言う手段もあるが、それを実践する人はごく僅かだろう。
そんな筆者の心配ごとは、これまでと違う手段・手法で開発された新型シビック タイプRが、悲劇のタイプRになってしまう恐れがあると言うことだ。
「タイプR」のコンセプトは歴代共通で、「その時最高の性能とポテンシャルを持たせ、一番速いクルマを作る」である。開発陣は、新型シビック タイプRで世界一を目指すにあたり、「ちょっといい」ではなく「ブッチギリ」が必要と考えた。そこで新型は官能性だけでなく、技術もシッカリと謳えるクルマとして開発を行なった。
そのため、これまでのタイプRとは異なり、「VTECターボ」、軽量/高剛性の「接着ボディ」、270km/hを可能にする「空力デバイス」、一般道からサーキットまで許容する「電子制御サスペンション」を採用したのだ。その結果ニュルブルクリンク北コースFF最速となる「7分50秒63」というタイムを記録しているが、これはタイムを出すことが目的ではなく、新世代のタイプRとしてふさわしいモデルが出来あがった“結果論”にすぎない。
しかし、この性能を実際に体感することができない人にとっては、「タイム主義」、「値段が高い」、「タイプRらしくない」と言う意見が出るのも当然だろう。すでに販売終了してしまったモデルの試乗記を書くのは心苦しいが、これを読んでホンダのエンジニアが新型シビック タイプRに込めた“想い”を少しでも感じ取ってもらって、誤解を解いていただければと思う。
「ターボのVTEC」ではなく「VTECのターボ」
まず、注目のパワートレインはタイプR初となる過給機付き。
K20C型と呼ばれる2リッター直噴VTECターボは310ps/400Nmのスペックだ。最新のターボらしく実用域でも力強いが、一番の特徴はNAのようなフィーリングで7000rpmのレッドゾーンまでスムーズに回る点だ。直噴システムや高タンブル吸気ポートなどによる高効率な急速燃焼や吸排気VTC&排気VTECとターボの組み合わせにより、高出力化だけでなくレスポンス向上にも寄与している。
つまり、「ターボのVTEC」ではなく「VTECのターボ」として開発が行なわれており、高回転まで使いたくなるターボエンジンに仕上がっているのだ。
最新のエンジンらしくパフォーマンスと環境性能も高いレベルで両立され、燃費はJC08モードで13.0km/L、排ガスは平成17年排出ガス基準75%レベルを実現。実は欧州ではレギュラー(95RON)対応となっているが、日本では燃料の問題(レギュラーが91RONなので)でハイオク指定となっている。
組み合わされるトランスミッションは専用開発された6速MTだ。現在トレンドなっている2ペダルMTを採用しないのは、「タイプRはドライバーが主役」と言う考えのためだ。ギア比はエンジンの特性に合わせたクロスレシオを採用。また、リンク式ながらNSX-Rを思い出すようなストロークとダイレクトなフィーリングは「ホンダ最高のシフトフィール」と開発陣は自信を見せる。
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