トール/ソリオハイブリッド/フリードプラス ~スライドドアを備えた、いま人気の最新コンパクトミニバン3車を徹底比較~(4/4)

トール/ソリオハイブリッド/フリードプラス ~スライドドアを備えた、いま人気の最新コンパクトミニバン3車を徹底比較~
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街中を効率良く快適に移動できる日常生活の便利なツール

トールの特徴は視界に優れたコンパクトなボディにある。14インチタイヤ装着車であれば最小回転半径が4.6mに収まり、今回取り上げた3車種の中では小回り性能が最も優れている。コンパクトカーは日常的な買い物などに使われ、狭い駐車場に後退しながら入庫する機会も多い。優れた視界や小回り性能が大切だ。

パノラマモニターをオプション装着すると、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイに、車両の周囲を上空から見たような映像として表示できる(カーナビによってはナビ画面の表示も可能)。取りまわし性をさらに向上させられる。

直列3気筒1リッターのノーマルエンジンは、市街地向けの性能と考えたい。平坦な路面であればリラックスして運転できる。タントなど軽自動車のノーマルエンジン搭載車から代替えするユーザーにも馴染みやすい。

そして力不足を感じたら、取材車両としても取り上げたトールカスタムGターボSAIIが搭載する1リッターのターボ仕様も検討する。動力性能が1.5リッター並みに向上するので、高速道路や登坂路も走りやすい。

低回転域から余裕のある駆動力を発揮するから、ターボのクセをほとんど感じない。運転のしやすい実用的なエンジンに仕上げた。 なお自宅周辺の道路環境によっても選ぶべきエンジンが変わるので、ディーラーの試乗車を運転してからグレードを決めるのが良いだろう。

トールの魅力を整理すると、居住性、乗降性、積載性、収納性など、日常的に便利に使える機能を取りまわし性の優れたコンパクトなボディに詰め込んだことだ。高機能なキッチンに似て、必要な場所に欲しい機能や装備が最適に配置されている。多忙な毎日の移動を、効率良く快適にするのがトールといえるだろう。

フルハイブリッドと5速AGSの組み合わせが特徴

ソリオは3種類のエンジンを用意するが、売れ筋はマイルドハイブリッドとフルハイブリッドだ。エンジン本体の動力性能は同程度だが、運転感覚は異なる。

まずマイルドハイブリッドの動力性能は、実質的に1.2リッターのノーマルエンジンと同じだ。モーターの最高出力は3.1馬力と小さく、駆動力を支援する時はエンジン出力を弱めるため、モーターの駆動はほとんど体感されない。それでも2WDなら車両重量が950kgと軽く、1.2リッターエンジンでも力不足は感じない。4,000回転を超えた領域で加速力が活発化する性格はあるが、使いやすく仕上げた。トランスミッションは無段変速ATのCVTで、加速感も滑らかだ。

取材したフルハイブリッドSZは、エコモードを選ぶとエンジンを停止させてモーター駆動のみで発進することもある。その後のエンジン始動は、モーター機能付き発電機のISGが行うから静粛性も良好だ。

フルハイブリッドの特徴は、ATがCVTではなく、5速AGSになること。CVTの搭載スペースを確保できず、コストや燃費でも有利だから5速AGSを採用した。電子制御される1組のクラッチが変速を行い、有段式ATではあるがトルクコンバーターは備わらない。

1組のクラッチを使うATは、一般的に変速に要する時間が長く、加速時には変速の度に速度上昇が途切れるから乗員が前後に揺すられやすい。そこでソリオのフルハイブリッドは、変速中はモーターの駆動力を強め、加速が途切れにくくした。フルハイブリッドのモーターは5速AGSを介さずに前輪を直接駆動するから、この制御を可能にしている。

もともとスズキの5速AGSは、半クラッチを上手に使ってシングルクラッチ式ATとしては変速の仕方が滑らかだった。ソリオのフルハイブリッドでは、この特徴がさらに際立っている。アクセルペダルを深く踏み込んでフル加速をすれば変速時間の長さに気付くが、普通に市街地を走る分には欠点をほとんど感じない。

ソリオは実用的なコンパクトカーだが、5速AGSのような日本車では珍しいメカニズムを備えることも特徴だろう。有段式ATなので、加減速にもダイレクト感が伴う。クルマ好きのユーザーが運転を楽しめる性格も併せ持つ。

ボディは重いが力不足を感じさせない運転感覚

フリードプラスは1.5リッターのノーマルエンジンとハイブリッドを用意する。ノーマルエンジンは直噴式で、1.5リッターエンジンとしては動力性能が高い。車両重量が1300kgを超えるから加速力が優れているとはいえないが、力不足は感じにくい。

試乗したハイブリッドEXは、エンジン自体は少し高回転指向だ。4500回転付近から速度の上昇が活発になる。

その半面、低回転域ではモーターがエンジンの駆動力を効果的に支援する。巡航中にアクセルペダルを軽く踏み増した時などは、7速DCTを変速させず、緩やかに速度を高めることが可能だ。

ただしエンジンブレーキを作動させるためにATレバーをDレンジからLレンジに移すと、ギヤの下がり方が大きく過度な減速が生じる。中間的なSレンジを設けたり、パドルシフトで任意にギヤを選べると、キメの細かな変速が行える。

フリードプラスはトールやソリオに比べてボディが大きく車内も広い。多量の荷物を積んで遊びに出かけたり、車内に宿泊する用途に適する。フリードプラスならではの使い方が可能だ。 一方、トールとソリオは、ボディがコンパクトで小回りも利く。荷室はフリードプラスよりも狭いが、前後席の居住性は同等かそれ以上だ。

ボディが小さいから運転がしやすく、ノーマルエンジンやマイルドハイブリッドでも燃費が良い。加えて価格が割安だ。運転感覚を含めて「便利に使えるクルマが欲しい」と考える幅広いユーザーに適する。 車種、エンジン、グレードを選ぶ時には、どのような荷物を積むのか、日常的に走る距離はどのくらいか、市街地走行が中心か、それとも高速道路を使って長距離を移動する機会が多いのか。

こういったいろいろな使用目的を明らかにした上で、絞り込みをすると良いだろう。これはコンパクトカーに限らず、すべてのジャンルに当てはまるクルマ選びの奥義だ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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