ホンダ エコカー 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
まさに「みんなに乗ってほしい。189万円」
コンパクトな普及型ハイブリッドカーとして登場した現行インサイトは、手ごろな価格設定とボディサイズに、ストレスのない加速とキビキビとした走り、不満のない使い勝手などの要素をまんべんなく満たしているところがいい。
広告のキャッチコピーでは、「みんなに乗ってほしい。189万円」と、あまりに素直なフレーズを掲げていたが、まさにそのとおりのクルマに仕上がっていると思う。
ただし、ファーストカーとして使うとなると、後席の居住スペースの小ささがネックとなるのは否めない。子供であればまだしも、成人男性を頻繁に乗せるとなると、慎重に検討してから決めたほうがいいだろう。
肝心の燃費も、モニターでは市街地で概ね17~19km/Lを指していたことからすると、実用燃費も期待どおりという印象。さらには、ハイブリッドゆえ燃費に期待するのは当然だろうが、モーターのトルクをプラスした独特の加速感も得られることもインサイトの魅力のひとつである。しかも、ECONの状態を標準としてもよかったものを、それをサブとして、本来の姿を走りモードとしたところにホンダらしさを感じる。
総じて、これから出てくる3代目プリウスよりも、おそらく走りの楽しいクルマだと思うし、走りの軽快さではフィットにも一歩も負けていない、「ホンダのエコカー」の代表的なクルマである。
最高に効率のよいパッケージング
独自のセンタータンクレイアウトを踏襲し、初代で評判を得た室内空間の広さやフレキシブルな使い勝手は、2代目にも正常進化して受け継がれた。ボディサイズの拡大で稼いだ余裕を活用し、あらゆる要素が全面的に底上げされている。考えうる最高に効率のよいパッケージングを持つクルマだと思う。
フィットは2008年度に17万4910台を販売したとのこと。これは首位ワゴンRの 20万5354台、2位ムーヴの19万364台に次ぐ台数で、登録車の中でもっとも売れたことになる。 また、すでに確立したキャラクターにより、リセールバリューも、同クラスのライバル車よりも高くなっているところも強みである。
やはり、どうこういっても売れている理由のわかるクルマである。たとえ上昇志向のある人でも、フィットに触れると、「これで十分」と思わせてしまうものがある。それほどのそつない完成度の高さを、このクルマに感じるのである。
かつてもカローラの連勝記録を止めたことには驚かされたが、もはやフィットが売れるのは当たり前で、今後はこの状態がスタンダードとなり、ワゴンRやムーヴとともに、「国民車」の一角をなしていくはずだ。
ちなみに、フィットのハイブリッド搭載車の市販化も将来的には予定されているとか。それが現実となったときには、プリウスを抜くという現実味をおびてくる。
究極のミニバンのダウンサイジング
発売後、半年ほどずっと月販台数ランキングで4位につけ、2008年の5月に発売された新型車でありながら2008年度は年間で16位の5万646台を販売した。フィットが売れているにもかかわらず、フリードもこれだけ売れているというのは大したものである。それだけ、このクルマの商品性が大いに受け入れられたということだろう。
コンパクトなミニバンであるフリードだが、逆の見方をすると、コンパクトカーの拡大版に3列シートを詰め込んだ、という解釈もできる。フィットに3列目シートが付いていると便利という発想で、フリードを選んだ人も多いはずだ。フィットに対しては、プラスアルファの出費で得られる付加価値が武器となる。
また、ステップワゴンやストリームも競合車となりえるだろうが、それらに対しては、「ちょうどよい」「これで十分」と感じた人が少なくなかったゆえのことと思われる。さらに、従来のモビリオのような見た目のやぼったさもなく、しかも居住空間や走行性能などについて、多くの人が満足できる仕上がりであるところも勝因だろう。
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