コンパクトカー 徹底比較(1/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
今回は、ヴィッツ、マーチ、フィットというベーシックなコンパクトカーの、しかもトップグレードではない量販グレードを比較してみたいと思う。
昨年フルモデルチェンジして2代目となったヴィッツに、昨年夏にビッグマイナーチェンジを受けたマーチ、そして、2001年の登場以来ずっと好調に売れ続けているフィット。
コンパクトカーというのは、もともとお買い物や通勤の足として、近所のお出かけに使うことを主体とした、コミューターとしての役割が大きかった。しかし近年、軽自動車の品質が飛躍的に向上したこともあり、低維持費を武器に販売台数を伸ばし続ける中で、コンパクトカーにはさらなる付加価値が求められ、ファミリーカーとしてのユーティリティも望まれるようになってきた。そのため、ボディサイズが拡大され、エンジン排気量を拡大したモデルを追加するなどの販売戦略が取られているのはご存知のとおりだ。
販売台数を見ると、最近ではヴィッツが同カテゴリーでトップの座を維持している。ところが、印象としては、フィットの根強い人気のほうがインパクトがあるように思える。思えばフィットは、初代ヴィッツがずっとコンパクトカーの販売台数トップの座についていた最中に登場し、いきなりその座を奪ってしまった。そして、その後もずっと、ヴィッツの台数を下回ったことはほとんどない。すでにモデル末期にさしかかったフィットだが、今でも比較的新しいヴィッツと熾烈な販売合戦を展開している。
一方、マーチは独自の路線を歩んでいる。やはり愛らしいデザインが現行マーチ最大の特徴だが、これは販売的には乗り手を限定してしまうのは否めない。 昨年登場したスイフトや、意外と根強い人気のデミオにも、逆転を許すこともしばしばだ。 とはいえ、このデザインを採用したことで、そのことは確信的ともいえるはずだ。 ヴィッツ、マーチ、フィット、それぞれの魅力を検証し、比較した場合のアピールポイントについて触れていきたい。
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