フォード エクスプローラースポーツトラック 試乗レポート

フォード エクスプローラースポーツトラック 試乗レポート
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フォードが提案する楽しいアメリカンライフ

イメージ
フロントスタイルリアスタイル

トラックといってもエクスプローラー・スポーツトラックは、商業用の荷物運搬車として使われることは、アメリカでもほとんどない。主に日常の足やレジャーユースのスポーティカーとして購入され、使用されている。

アメリカのなかでも中西部から西海岸にかけてのスポーツトラックの人気は高い。フォードのF150シリーズというトラックは全米のクルマのなかでセダンやミニバンを抑えて、販売台数トップを誇るほどにポピュラーだ。エクスプローラー・スポーツトラックはSUVのエクスプローラーをベースに4ドア+荷台のボディを架装している上級志向のトラック。

2006年に現行モデルになり、07年6月から日本でも発売されることになった。フォードはマスタングやエクスプローラーなどアメリカンブランドのスポーティモデルに力を入れはじめた。その一環としてスポーツトラックを輸入したのだ。楽しいアメリカンライフの提案に注目したい。

フロントドアまではエクスプローラーと基本的に同じ

ラゲッジ
インパネフロントシート

スポーツトラックはエクスプローラーのホイールベースを425mm延ばしている。全長は440mm長い。この延長分はリアの荷台部分に使われている。

フロントマスクはエクスプローラー・エディバウワーと同じデザインを採用しているがグレードはXLTになる。スタイリングはフロントドアまではエクスプローラーと基本的に同じ。リアドアから後部は独自になる。ボディカラーは4色から選べる。

リアの荷台(ベッドと呼ぶ)は、奥行約1.3m、幅は1.1~1.5mある。この荷台にはハードボードのカバーが付いている。2つ折りにしたり、取り外すこともできる。ボードと荷台の間は高さ55cm。荷台から路面までは76cmある。荷台は耐腐食性に優れたSMCという複合素材を使用した。

室内は床面にラバー製素材の「Tuflor」を採用、泥や汚れを簡単に落とすことができる。アウトドアの足としても十分に通用する一方で、町中での目立つ足としても使える。

足回りはエクスプローラーよりもスポーティなRV的

エンジン
シフトサイドビュー

エンジンはV6、SOHC、4.0L。213馬力、36.1kg-mの性能で、最新の5速ATを搭載する。駆動は4WDだが後輪駆動をベースにし、必要なトルクを前輪に伝える方式。オフロード走行用として4×4ローモードも選択できる本格派だ。

高めの運転席に乗りこみ、Dレンジでスタートする。トルクは1,000回転あたりから太く、自重2.2トンの車体を意外に軽く引っぱる。ソフトなクッションのシートは背中をしっかりとホールドしてくれる。左ハンドルだが高めのアイポイントで、狭いワインディングも安心感がある。

サスペンションはエクスプローラーよりもかためのセッティング。それがコーナーや高速道路でのレーンチェンジなどでのフラつきを抑えている。エクスプローラーよりもスポーティなRVというイメージだ。4輪ディスクブレーキはペダル踏力に力を要するが、効き味は確か。ちょっと欲しくなってしまう楽しさを感じるモデルだ。

実用性もありアメリカ生活気分も味わえる

シートアレンジエンブレム

カタログ上の乗車定員は5名だが実際にリアシートは床もフラット、シートもフラットで十分に実用だ。このリアシートは7対3の割合で分割され、前倒しできる。

走行性能は、運転席からうしろを振りかえらなければ、スポーツサスのエクスプローラーという感じだ。

4WD効果はオフロードで十分に体感できる。

車両本体価格は398万円。これはエクスプローラーXLTの425万円よりも安い。しかも、アメリカンな雰囲気を味わうこともできる。個人的にはエクスプローラーよりもかためのサスペンションの乗り味とハンドリングが好きだ。

リアのベッドだが本格的なアウトドア活動をしている人はトノボードを外して使えばよい。普段は、ベッドに小物を入れられるようなBOXを固定し、そこにグッズや工具を入れたりして使うと楽しいアメリカ生活ができるだろう。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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