フィアット アバルトプントエボ 海外試乗レポート(2/2)

  • 筆者: 西川 淳
  • カメラマン:フィアット グループ オートモービルズ ジャパン
フィアット アバルトプントエボ 海外試乗レポート
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がらりと雰囲気が変わったインテリア

アバルト プントエボ
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外観と同様、インテリアもベースモデルが大幅に変更されたので、アバルトも当然ながらかなり雰囲気が変わった。

ボディ同色のダッシュボードトリムではなくなり、間接照明の付いた十字形のパネル形式としている。

より大人びて落ち着いた印象だが、メーター周りだけはレーシーだ。スピードメーターとレブカウンターはイェーガー製で、グラフィックもかなりヤル気満々。メーターナセルには赤と黄のステッチが施される。

シートも新タイプ。座面とバックレストは柔らかなブラックレザーで、側面はハイテク素材が採用された。Sabelt(サベルト)製の「アバルトコルサ」シートはオプション。

アバルト プントエボ

内外装以上に注目したいのが、新開発165馬力のマルチエア1.4ターボガソリンエンジンだ。このエンジンはスロットルバルブを利用せず、電子制御式油圧システムで吸気バルブの開弁時期やリフト量を制御するもの。

同じ排気量の従来型ガソリンエンジンと比べると、パワーで約10%、トルクで約15%、燃費で約10%向上されている。また、CO2で約10%、PM(粒子状物質)で約40%、NOx(窒素酸化物)で約60%もの排出量低減も実現したという(いずれもメーカー公表最大値)。

また、以前はIHI製ターボであったが、今回からギャレット製の新型大径ターボチャージャーを組み合わせた。0~100km/h発進加速がわずか7.9秒というから、まさに「韋駄天」である。

全域でパワフルなエンジンと高いコントロール性

アバルト プントエボアバルト プントエボ

グランデプントアバルトといえば、シャシーを同じくする「アルファロメオ ミト」に比べてずっと若々しく、ワイルドでシャープな走りをみせるクルマ、というイメージがあったのだが・・・。

動かした瞬間に“変わった!”と思った。

ミトほどではないにせよ、サスペンションの反応に“柔らかみ”が増し、ぐっと大人の乗り味になっている。以前の形の方が似合うだろうに、と思うくらいに洗練されていたのだ。

もちろん、それはステアリングフィールにも現れていた。以前は輪郭のはっきりとした、どちらかといえば多角形を描くようなハンドリングだったのだが、かなりミト寄りになり、アジリティ豊かだが角が随分と取れたように思える。

そういう意味では過激さが影を潜めたか?コントロール性は相変わらず高く、FFのスポーツカーとして基本に忠実な走りをみせてくれた。

マルチエアの新エンジンは、低回転域からのリニアなパワーの立ち上がりと、持続力あるトルクフィールが魅力。いきりたつような派手さはないけれども、全域でパワフルである。また、スポーツとノーマルとでは、以前に比べてもかなり差がある。当然、スポーツの方が相当に刺激的だ。

もちろん、このモデルにも180CVのエッセエッセ(SS)キットが追加される予定だ。

従来に比べて内外装は派手になったが、乗り味は洗練された。そのギャップがまた、アバルトらしくて面白い。日本デビューは本年9月の予定だ。

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西川 淳
筆者西川 淳

別名ボンジョルノ西川が示すとおり、大のイタリア好き。乗り手をワクワクさせる、刺激に満ちたクルマが好きなので、自然にイタリア車に接することが多い。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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