ダイハツ 新型コペンの予想価格は270万円〜! 後輪駆動+6速MT設定で2027年登場か?

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:佐藤 正巳/島村 栄二/和田 清志/ダイハツ工業
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ダイハツの軽スポーツ「コペン」が2026年8月で生産終了とアナウンスされ、ファンを驚かせました。しかし、ジャパンモビリティショー2025には次期型の外観を明確に示していると思われる「K-OPEN」が出品され、開発継続が判明。新型の登場を心待ちにしているファンも多くいることでしょう。

新型コペンの価格はいくらになるのか? いつ登場するのか?

カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、価格やボディサイズ、駆動方式、エンジンなどのスペックを予想、解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. スポーツカー受難の時代、それでもコペン開発は続く
  2. JMS2025出品の「K-OPEN」は市販化への強い意志表示
  3. 新型コペンの予想価格は270万円〜320万円! なぜ大幅アップ?
  4. 新型コペンの予想スペック
  5. 新型コペンのボディサイズ予想
  6. 駆動方式を後輪駆動化する好影響とは
  7. 後輪駆動化によるパッケージングの課題
  8. エンジンは660ccターボ継続、6速MT採用にも期待大!
  9. 新型コペンの販売方法と発売時期

スポーツカー受難の時代、それでもコペン開発は続く

最近は日産 GT-R、トヨタ GRスープラ、レクサス RCなど、2ドア/3ドアのクーペボディを備えたスポーツカーの販売終了が公表されています。これらのモデルの後継車種はなく、現行型で終わるようです。

メーカーの開発者は「クーペは、日本、海外ともに売れ行きが下がり、車種のラインナップも減っています」と述べています。

しかしすべてのクーペが終了するわけではありません。ダイハツ コペンのホームページには「2026年8月にコペンの生産を終了」と書かれていますが、ダイハツの関係者は「コペンの開発は継続して行われている」と証言しています。

JMS2025出品の「K-OPEN」は市販化への強い意志表示

ダイハツは、ジャパンモビリティショー2025に「K-OPEN」の名称で、新型コペンのプロトタイプを出品しました。

さらに現行コペンをベースにした「K-OPEN/ランニングプロト」も出品しています。

K-OPEN/ランニングプロトは、次期型に通じる開発用の実験車です。通常、このような実験車は公表しません。

これをジャパンモビリティショー2025に出展した背景には「K-OPENは単なるショーモデルではなく、市販を目的に開発しています。発売を待っていてくださいね!」というメッセージが込められているのです。

そんな期待を持たせる次期(新型)コペンの概要を予想してみましょう。

新型コペンの予想価格は270万円〜320万円! なぜ大幅アップ?

新型コペンの予想価格は最も安価なグレードが270万円、上級グレードは320万円前後となるでしょう。

現行モデルが198万3300円〜255万6400円なので、約70万円ほど値上げされることになります。いったいなぜこれほど大幅な値上げとなるのでしょうか。考えられる要因をご紹介します。

後輪駆動化による専用設計

従来型は前輪駆動だったので、大量に販売されるダイハツ タントやダイハツ ムーヴと共通化できるパーツも相応にありました。

ところが新型コペンは後輪駆動となるため、プラットフォームは専用開発になり、ほかの車種では使えない専用パーツも増えます。

軽商用車のダイハツ ハイゼットカーゴやダイハツ アトレーも後輪駆動ですが、コペンはスポーツカーなので、共通化できる範囲は限られるでしょう。

そうなると新型コペンの専用設計となるパーツが増え、価格は高まります。

軽でも価格はロードスター並み? メカニズムが近いRFと比較

オープンカーのマツダ ロードスターの場合、2.0Lエンジンを搭載して電動開閉式ハードトップを備えたRFのSグレードは379万6100円〜382万3600円です。新型コペンは、電動開閉式ハードトップを備えた後輪駆動車となるため、メカニズムはロードスターRFに近いです。

そこも踏まえると、新型コペンの価格帯が270万円から320万円であれば、むしろ割安と言えるでしょう。

クルマの価格は、サイズではなくパーツの点数や内容で決まるため、新型コペンは軽自動車でも価格が際立って上昇するのです。

新型コペンの予想スペック

現在予想されている新型コペンの主要データを表でまとめました。ボディサイズ、エンジンなどのスペックの詳細は後半に触れています。

予想データ
予想価格帯

270万円~320万円

予想発売時期

2027年前半

全長

3395mm

全幅

1475mm

全高

1230mm(現行比-50mm)

ホイールベース

2265mm(現行比+35mm)

エンジン

直列3気筒 658ccターボ

最高出力

64馬力/6400rpm

最大トルク

10.2kg-m/3600rpm

駆動方式

FR(後輪駆動)

トランスミッション

CVT&6速MT

乗車定員

2名

新型コペンのボディサイズ予想

新型コペンは、従来型と同じく軽自動車のクーペです。全長は3395mm、全幅は1475mmで、従来型と同じ数値になるでしょう。

ただし全高は1230mmで、従来型よりも50mm低いとみられます。ボディを低く抑えることで、全幅をワイドに見せる効果が生じます。

従来型と新型コペンのボディサイズを表でまとめました。

全長全幅全高ホイールベース

新型(予想)

3395

1475

1230

2265

現行

3395

1475

1280

2230

寸法はmm

そのためにジャパンモビリティショー2025の出品車両も、軽自動車には見えませんでした。存在感も強いです。

新型コペンのホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2265mmで、従来型に比べて35mm拡大されるでしょう。クーペなので乗車定員は従来型と同じ2名です。

駆動方式を後輪駆動化する好影響とは

新型コペンの最も大きな変更点は、駆動方式が従来型の前輪駆動から、後輪駆動に変わることです。

エンジンを縦向きに搭載する後輪駆動のメリットとして、操舵は前輪、駆動は後輪と役割が分担されるためにタイヤの負担も減ります。

また別のメリットとして、駆動のための機能が後部にも設置されるので、前後輪の荷重配分も、ほぼ50%ずつになります。そうなるとカーブを曲がったり車線変更を行ったり、危険を避ける時の安定性が向上します。

さらに後輪駆動になると、スポーツカーらしい外観となります。エンジンを縦向きに搭載して、その後ろ側にトランスミッションを配置するため、自然にボンネットが長くなるためです。

K-OPEN、つまり新型コペンの外観を横方向から撮影した写真を見ると、フロントピラー(柱)やウィンドウと、前輪の間隔が離れています。

長いボンネットは後輪駆動車の特徴でもあり、新型コペンも外観をスマートに見せています。

後輪駆動化によるパッケージングの課題

新型コペンの開発者は「後輪駆動の採用により、新型コペンでは、シートの位置が従来型に比べて約100mm後退しています」と説明しました。ボンネットが長くなったことで、シートの位置が後ろへ下がったわけです。

ただしコペンを後輪駆動車に変更するのは、とても難しい作業です。

なぜならコペンは、前述の通り次期型も軽自動車で、全長を3395mmに抑える必要があるからです。

この限られた全長で、エンジンを縦向きに搭載してボンネットが長くなり、シートの位置も100mm後退すると、残された空間が狭くなります。

しかも新型コペンは、従来型と同じく電動開閉式ハードトップを装着する予定です。シートの位置を100mm後退させながら、ハードトップの格納スペースとモーターの設置場所を確保するのは難しいです。

エンジンは660ccターボ継続、6速MT採用にも期待大!

新型コペンは軽自動車なので、従来と同じく660ccターボエンジンを搭載するでしょう。

今のパワーユニット開発は、電気自動車やハイブリットが中心で、コペンが搭載するオーソドックスなターボエンジンを新たに開発することは考えにくいです。

そうなるとエンジンのチューニングなどは、設計の新しいムーヴと同様でしょう。最高出力は64馬力(6400回転)、最大トルクは10.2kg-m(3600回転)とみられます。

トランスミッションは、従来型は5速MT(マニュアルトランスミッション/手動変速機)と無段変速ATのCVTでしたが、新型コペンでは6速MTを採用する可能性も高いです。

新型コペンの販売方法と発売時期

それでも後輪駆動に変わる新型コペンをダイハツだけで販売したのでは、採算が成り立ちません。トヨタの販売網も使って、現在のコペンGRスポーツ以上に、積極的に販売していくでしょう。

つまり新型コペンは、ダイハツとトヨタが共同で渾身の開発と販売を行うため、魅力の高いクルマに仕上がるとみられます。

発売は2027年の前半と予想されます。今後の公式発表を楽しみに待ちたいです。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:佐藤 正巳/島村 栄二/和田 清志 画像提供:ダイハツ工業】

ダイハツ/コペン
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新車価格:
198.3万円255.6万円
中古価格:
29.9万円478.5万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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