トレンディ(死語)に見えて真面目。C5 エアクロス SUVは骨太のシトロエンだった(2/2)
- 筆者: 南陽 一浩
- カメラマン:望月 浩彦
本国ではディーゼルとガソリンの2エンジン
試乗したのはディーゼル2LターボのBlueHDi180と、ガソリンのピュアテック180の両仕様。いずれもEAT8と呼ばれるアイシンAW製のトルコン8速ATと組み合わされるが、最大トルクは前者が400Nm、後者は250Nmとなる。結論からいえば、街乗りが多いのなら、乗り心地や身のこなしが一段とエレガントなガソリンがいいだろうし、長距離巡航の用途を重視するならトルクが分厚く燃費にも優れるディーゼル軍配が上がる。峠道では、ステアリング軽快さか、加速のパンチ力のいずれを重んじるか、甲乙つけがたい。
例えばスピードバンプを越える際など、乗り上げた前脚がスイッと吸い込んで突き上げをゆっくりと丸めるような動作のスムーズさは、鼻先の軽いピュアテックの方が優れるが、BlueHDiとてガサツではないし、たゆたうような乗り心地が根底にある点は共通。強風下の高速巡航でも横風には意外なほど乱されないし、足回りのストロークはたっぷりしているのにコーナリング時の挙動に無駄がない、そんなロードホールディングもじつにシトロエンらしいと感じさせる。
今のフランス流ファミリーカーを表す1台
4500mmの全長と1850mmに迫る全幅で、ボンネットも高いので、外観はかなりボリューム感はある。ただルーフレールの裏やボディサイドのエアバンプなどにみられる蛍光色アクセントといい、威圧感よりファニーさを醸し出している辺りも独特。2列目シートは3座独立でスライドもリクライニングも畳みも可能で、5名乗車時でも580Lを確保しているラゲッジスペースは、最大1630Lまで拡大できる。つまりミニバンから乗り換えてもファミリーカーとして不足はない。
コンフォートは昔からシトロエンの金科玉条だが、それにしても「シトロエンらしさ」が表現としてポップになった点に、C5 エアクロス SUVの心地よい驚きがある。SUVとして氷雪路などで駆動力を最適化するグリップコントロールも備わるし、レベル2のADASも機能的で、仏流ファミリーカーの今をよく示す一台だ。威圧感たっぷりの国産ミニバンほど広くはなくても、明るく心地よい車内スペースと、ステアリングを握るドライバーだけでなく乗員全員が感じられる優れた動的質感。個性的に見えても、じつは至極真っ当な価値観のファミリーカーといえる。
[筆者:南陽 一浩/撮影:望月 浩彦]
シトロエン C5エアクロス SUV 主要スペック(日本仕様) | |
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全長 | 4500mm |
全幅 | 1850mm |
全高 | 1710mm |
ホイールベース | 2730mm |
車両重量(車重) | 1640kg |
エンジン種類 | 直列4気筒ターボディーゼル |
駆動方式 | FF(前輪駆動) |
排気量 | 1997cc |
エンジン最高出力 | 130kW(177PS)/3750rpm |
エンジン最大トルク | 400N・m/2000rpm |
燃料消費率WLTCモード | 16.3km/L |
トランスミッション | 8速オートマチック |
メーカー希望小売価格(消費税込) | SHINE 424万円/レザーパッケージ 460万円 |
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