BMW M760Li xDrive 試乗│2000万円オーバーのBMWの最上級セダン、その実力やいかに!?(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂 幸正
熱烈なファンにとっては、最終的に選ぶ1台といえるのかも知れない
装備も充実しており、ディスプレイ・キーを使って、車外から車庫の入/出庫が行えるリモートパーキングなどを採用した。
安全装備も多岐にわたり、緊急自動ブレーキは歩行者と車両に対応する。夜間に歩行者や動物を検知して、ディスプレイに赤外線画像として表示する機能も備わる。ヘッドランプにはレーザーライトが採用され、ハイビームで時速70km以上で走る時は、最長で600mの距離を照射できる。
運転支援の機能にはステアリングの制御も含まれ、停車時から時速210kmまで対応する。長距離移動時も快適だ。
価格はBMW M760Li xDriveが2520万円に達する。740i M Sportの1374万円と比較しても2倍近い金額だ。「BMWで2000万円オーバーはないでしょう」と考える人も多いだろう。現実的な選択肢ではないが、BMWを何台も乗り継いできた熱烈なファンにとっては、最終的に選ぶ1台といえるのかも知れない。
売り方と流通のさせ方が難しく、今後の課題を残す
7シリーズで気になるのは、販売会社が在庫を持ち切れずに登録した、実質的に未使用の中古車(走行距離は50km以下)が、格安で売られていることだ。とあるBMWの認定中古車でも、740e iパフォーマンスMスポーツ(現在の新車価格が1310万円)が879万9000円で用意されていた(2018年3月現在)。約430万円安く手に入るわけで、比率に換算すれば33%の値引きだ。
740i Mスポーツ(1374万円)も800万円弱で売られていた。こちらは575万円ほど安く、比率にすれば42%の値引きだ。実質的に未使用の中古車が半額近くまで価格を下げている。
輸入車はブランドを問わず概して値引きが多く、未使用の中古車も豊富だ。今では常態化したことだが、BMW 7シリーズは新車価格が高いので、下落率が特に大きい。
売れないから販売会社も困り、登録して安く中古車市場に放出するが、この台数が増えると普通に使われた中古車の売却額まで下げてしまう。いい換えればユーザーの資産価値を下落させる。新車で買いたいユーザーは、だらしない売り方に不愉快になり、敬遠したくなることもあるだろう。7シリーズのような高価格の輸入車は、こういった売り方と流通のさせ方が難しく、今後の課題を残す。
読者諸兄が購入される時も、このカラクリに注意していただきたい。もちろん逆に考える手もアリだ。一切値引きをしないレクサス LS500Fスポーツが1200万円、7シリーズ740i Mスポーツは、未使用中古車なら750~900万円に収まる。これほど安く買えば、売る時は当然に叩かれるが、ほぼ廃車になるまで使うならリセールバリューは関係ない。
輸入車の価値観と売り方は幅が広く、ユーザーも柔軟に受け止めて対応する必要がある。
[Text:渡辺陽一郎 Photo:茂呂幸正]
BMW M760Li xDrive 主要スペック | |
---|---|
価格(消費税込み) | 25,200,000円 |
駆動方式 | 4輪駆動 |
トランスミッション | 電子油圧制御式8速ATT |
全長 | 5,250mm |
全幅(車幅) | 1,900mm |
全高(車高) | 1,485mm |
ホイールベース | 3,210mm |
乗車定員 | 5人 |
車両重量(車重) | --kg |
エンジン | V型12気筒DOHCガソリン |
排気量 | 6,591cc |
最大出力 | 610ps(448kW)/5,500rpm |
最大トルク | 81.6kgf-m(800N・m)/1,550-5,000rpm |
燃料 | 無縁プレミアムガソリン |
タイヤサイズ | (F)245/40R20 (R)275/35R20 |
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