日本にジャストサイズなクロスオ―バーSUV、アウディ 新型Q2に試乗
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂幸正
日本の道にピッタリのSUVは意外と少ない
日本でも乗用車派生のクロスオーバーSUVが人気だ。
その人気の秘訣は「デザイン」と「走り」だろう。デザインは普通のハッチバック/セダンよりもダイナミックでアクティブな“華”があるし、何しろ“守られている感”が強い。ヒップポイントが高いので視認性もよく運転もしやすい。かつてはフラフラと不安を感じさせた走りも、技術の進化によって重心の高さを感じさせないハンドリングを実現している。
そう、今やクロスオーバーSUVを選ばない理由はない。しかし、その多くは世界戦略車として開発されているケースが多く、ボディサイズは比較的大きいモデルばかり。実は日本の道路環境や駐車環境に合ったジャストサイズとなると、意外と数が少ないのも事実だ。
プラットフォームはA3と同じ「MQB」を採用
パワートレインは全てガソリンターボ「TFSI」で、A1より21ps/200Nm出力アップされた直列3気筒1.0Lターボ(116ps/200Nm)と気筒休止システム付きの直列4気筒1.4リッターターボ(150ps/250Nmの)の2タイプを設定。トランスミッションはどちらも7速Sトロニックの組み合わせ。
プラットフォームは兄貴分のクロスオーバーSUVであるQ3はA3がベースであることから、Q2はA1ベースだと思っている人が多いが、それは間違い。プラットフォームはA3と同じ「MQB」が採用されている。
サスペンションはフロント・ストラット/リア・トレーリングアーム式となっている。駆動方式はFFだが、SUVと言うこともあり、今後AWDのクワトロの設定を期待したところだが、現時点では「AWDが欲しければQ3を…」と言う事になる。
ちなみに今回試乗したのは、限定280台の特別仕様車である「1st edition」。
1.4リッターターボ搭載の標準仕様に対し、内外装はスポーティなSラインパッケージ仕様でフットワークはスポーツサスペンション+215/50R18タイヤ&ホイール(標準仕様は215/55R17)を装着。
更にナビゲーションパッケージや先進装備満載のセーフティパッケージ、バーチャルコクピットやオートマチックテールゲートと言った人気のオプションが標準装備となっているモデルだ。
ちなみに、Sラインパッケージやスポーツサスペンション+215/50R18タイヤ&ホイールは1st editionのみのアイテムで標準車にはOP設定がないので、購入を検討する人は注意が必要である。
他のアウディシリーズよりも“ワクワク”するようなプラスα
乗って見ると、基本は「精緻で滑らか」と言ったアウディらしい乗り味を持ちながらも、見た目と同じように“型破る”でややヤンチャなイメージを受けた。
ステアリングはスポーツカーほどではないものの、割とキビキビしたレスポンス重視の味付けになっているし、スポーツサスペンション装着のせいもあるが、足回りはロールを抑えたスポーティな味付けに仕上がっており、乗り心地もアウディドライブセレクトを「コンフォート」に入れても割と硬めのセットアップである。
ただ、サスペンションがよく動いている感じとストローク感の高さも相まって、決して不快ではないのが嬉しいポイントだ。そういう意味では、他のアウディシリーズよりも“ワクワク”するようなプラスαがあると感じた。
実はアウディの「2」を冠するモデルは“型破る”と言うテーマで繋がっている!?
パワートレインはダウンサイジングターボにありがちな、いかにもターボでドーピングと言うフィーリングではなく、ターボらしからぬ自然なフィーリングが嬉しい。
車両重量は1340kgと、このクラスでは軽量設計のボディも相まって余裕の走り。7速Sトロニックもかつてのツインクラッチの弱点であった発進時や低速時のギクシャク感もほとんど顔を見せず、多段ATのような滑らかさも備えている。
今回はベーシックな1.0Lターボに乗ることはできなかったが、1.4リッターの+400ccの余裕を考えると、本命がコッチだったりして!?
ちなみに1st editionはほぼフルスペックなので490万円とかなりお高めの。スターティングプライスは「1.0 TFSI」の299万円と戦略的な設定で注目されるが、装備内容やオプション設定の充実などを考えると、364.0万円の「1.0 TFSIスポーツ」からと考えたほうがいいかもしれない。
このようにQ2はアウディラインナップに属していながらも、少し変わった存在のモデルに仕上がっている。かつてアウディにはオールアルミボディの「A2」と言うモデル(日本には未導入)がラインナップされていたが、実はアウディの「2」を冠するモデルは“型破る”と言うテーマで繋がっているのかもしれない。
[レポート:山本シンヤ/Photo:茂呂幸正]
Audi Q2 1.4 TFSI cylinder on demand sport 主要諸元
全長x全幅x全高:4205x1795x1520mm/ホイールベース:2595mm/乗車定員:5名/車両重量:1340kg/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ 直噴ガソリンエンジン/総排気量:1394cc/最高出力:150ps(110kW)/5000-6000rpm/最大トルク:25.5kg-m(250Nm)/1500-3500rpm/トランスミッション:7速 Sトロニック/燃料消費率:17.9km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:215/50R18/メーカー希望小売価格:4,050,000円(消費税込)
※試乗・撮影車は特別装備を備えた限定モデル『1st edition』
<オプション>
オプションカラー(デイトナグレーPE) 60,000円
オートマチックテールゲート 70,000円
バーチャルコックピット 50,000円
セーフティーパッケージ(サイドアシスト/アクティブレーンアシスト/トラフィックジャムアシスト/リアクロストラフィックアシスト/プレセンスベーシック/ハイビームアシスト) 130,000円
ナビゲーションパッケージ(MMIナビゲーションシステム/8スピーカー/スマートフォンインターフェイス) 350,000円
<1st edition特別装備>(190,000円)
デコラティブパネルフォーマット
アンビエントライティング
3スポークレザーマルチファンクションステアリングホイールフラットボトム&シフトパドル付き
S lineパッケージ(S lineステアリングホイールエンブレム/S lineドアシルトリム/ステンレススチールフットペダル/S lineロゴ付きクロス/レザーシート/S lineエクステリアロゴ/S lineバンパー/スポーツサスペンション/7J×18インチ5スポークYデザインアルミホイール/215/50R18タイヤ)
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