アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ試乗レポート/石川真禧照(1/2)

アストンマーティン ヴァンキッシュ ヴォランテ試乗レポート/石川真禧照
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世界でもっとも美しいコンバーチブルの1台

アストンマーティン ヴァンキッシュはアストンマーティンのスポーツカーのなかでも、もっともラグジュアリーなスポーツカーの名称だ。2012年秋にクーペがフルモデルチェンジ。今回、コンバーチブルである「ヴォランテ」も新しくなって登場した。

このクルマの魅力は、なんといってもその美しいスタリング。とくに幌とボディのバランスのよさは、世界でもっとも美しいコンバーチブルの1台といってよいだろう。

しかもこのモデルでは、フロントウインドウがファブリックルーフとの接合ポイントまで伸びたことで、ウインドウからルーフにかけての面構成が、一層スムーズになった。この手法はフルハイト仕様といい、アストンマーティン史上初めて採り入れられた仕様なのだ。

ガッシリとした箱に入っているような安心感

ボディパネルはカーボンファイバーを採用した。これもアストンマーティンのコンバーチブルでは初めてのこと。カーボンファイバーの採用で、剛性だけでなく、パネルの点数も減り、車両重量も抑えられた。ボディ剛性に関しては、実際に幌を降ろして走行してみると、ルームミラーの揺れもなく、ガッシリとした箱に入っているような安心感を実感できる。幌の開閉は約14秒と早いのだが、電動で開閉させているときも、ボディの振動や揺れもなかった。

長めのフロントボンネット下には、アストンマーティンが自社で開発したV型12気筒6.0リットルエンジンが収まっている。組み合わせるトランスミッションは、タッチトロニック2と呼ばれている6速AT。ヴァンキィッシュのミッション操作は、シフトレバーではなく、センターパネルにあるプッシュスイッチで行う。スターターを兼ねたガラスキーの左にパーキングとリバース用ボタン、右にニュートラルとドライブ用ボタンが並んでいる。マニュアルシフトは、コラムから生えているパドルレバーで行う。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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