フォルクスワーゲン XL1 海外試乗レポート/国沢光宏(1/2)
- 筆者: 国沢 光宏
- カメラマン:フォルクスワーゲン グループジャパン
宇宙ロケットをも凌ぐCD値
最初の試作車はバイクのように前後に座るというタンデムシートで、空気抵抗を減らすため車体幅も思い切り狭くした。結果、コーナリング性能や安全性、実用性を確保出来なくなってしまう。
次の試作車も実用性を大きく犠牲しなければリッター100kmを実現できず市販は断念。そしてついに完成したのが、3世代目になる市販型XL1だ。
フェラーリやポルシェといったスポーツカーは、速く走るため低くて幅広いボディに、高出力エンジンを搭載する。同じように燃費を徹底的に追求したら、XL1のようになるということなんだろう。全長や全幅はVWのコンパクトカーであるポロと同等ながら、車高は1153mmで、フェラーリ458イタリアよりも低い。
徹底的に空気抵抗を削減すべくボディ後端を絞り込んだ涙滴型のデザインは、CD値なんと0.189!人が乗れるクルマのCD値は0.2くらいで限界だと言われてきた(世界一CD値小さい市販車はメルセデス・ベンツ CLAの0.22)。宇宙ロケットのCD値が0.2くらいなので、もはや極限に近いと考えていいだろう。
写真を見ていただければ解る通りルーフ上端を極限まで絞り込んでいるため、運転席と助手席の間隔は軽自動車より狭い。そこで助手席を少し後ろに下げ、肩と肩が当たらないよう工夫されている(助手席に座るとドライバーが斜め前方に見える)。ただシートに座ればタイトながら快適。小型飛行機のコクピットのよう。
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