ライバルのスズキとダイハツをトヨタはどう扱う?改めて検証「トヨタとスズキ」提携の理由(1/2)

  • 筆者: 国沢 光宏
  • カメラマン:オートックワン編集部/トヨタ自動車
ライバルのスズキとダイハツをトヨタはどう扱う?改めて検証「トヨタとスズキ」提携の理由
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スズキvsダイハツは今後どうなる?

トヨタとスズキが提携へ

トヨタ/スズキの記者会見を聞いていて一番理解出来ないのが「どんな協力関係を築けるのだろうか?」という点だった。改めて検証してみたい。

まず国内市場。スズキの主力製品は言うまでもなく軽自動車である。このジャンルのライバルと言えば、先日トヨタが100%子会社にしたダイハツ。

ダイハツとしては今後もシェアを守らなければならないため、スズキ優位になるお手伝いなど考えられないこと。部品の流用だってスズキのシェアを落とすという約束をしてからでないと無理。スズキ側からしてもダイハツに美味しい技術や部品を提供したら自社の優位性を失う。

軽自動車以外のモデルはどうか?

スズキがトヨタからハイブリッドのユニットを供給してもらっても売れると思えない。実際、マツダはトヨタのハイブリッドシステムを搭載して販売しているが、足回りの良さでプリウスに勝っているのに全く売れない。軽自動車同様、協業考えられず。

圧倒的にリードしているインド市場はスズキに

トヨタとスズキが提携へ

海外戦略ならどうか?

スズキが存在感を出しているのはインド。圧倒的なリードを保っている。今年1月「インド市場でスズキとトヨタ提携か?」という記事を日経新聞が報じたほど。

しかしトヨタはダイハツに担当させるという独自路線を打ち出した。当然ながらダイハツにとっても大きなチャレンジ。

もしダイハツの投資をトヨタがリスクだと考えるなら、インド市場はスズキに任せられる。スズキに資本入れたVWも、このあたりの損得勘定を重視したんだと思う。

トヨタブランドは、スズキの上級モデルにしていけばOKだし。トヨタ側にとって一番大きなメリットになるだろう。

インドネシアに代表される東南アジアは、トヨタ/ダイハツチームとスズキのバトルになっている。ただインドと違い、スズキに押されたらダイハツは凹む。日本国内の軽自動車市場と同じ。すでに投資を済ませているダイハツが手を引くと思えないので、協業は難しいかもしれない。

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

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