スバル インプレッサXV 試乗レポート(1/2)

  • 筆者: 森口 将之
  • カメラマン:オートックワン編集部
スバル インプレッサXV 試乗レポート
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スバルのクロスオーバー作りはサジ加減が絶妙

インプレッサXV

スバルは、クロスオーバービークルのパイオニアといっていいブランドだ。

 現在のレガシィ・アウトバックのルーツである「グランドワゴン」が追加されたのは、いまから15年も前の1995年。しかも、レガシィ登場以前にスバルの主力車種であったレオーネには、車高を上げて悪路走破性も考慮された4WDモデルが、1972年から存在していた。

インプレッサも過去にクロスオーバーを設定したことがある。レガシィ・グランドワゴンと同じ1995年、初代インプレッサスポーツワゴンに、フロントグリルガードや背面スペアタイヤを装備した「グラベルEX」があったのだ。グラベルEXは、2年後に発表されたフォレスターのルーツといわれている。

こうした豊富なクロスオーバー経験が、今年6月に発表されたインプレッサXVにも息づいていると、試乗を終えた今感じている。

クロスオーバーというと、ベース車より車高を上げ、大径タイヤを履いた姿を連想する。ところがXVの最低地上高155mmはハッチバックと同じ。205/55R16のタイヤサイズもインプレッサハッチバックの2リッターモデルと共通なのである。

インプレッサXV

しかしブラックアウトしたオーバーフェンダーとルーフレール、シルバー仕上げのフロントグリル、台形基調のフロントバンパー、リアウィンドウを囲むようなスポイラーのおかげで、インプレッサハッチバックとの印象はかなり異なる。

オーバーフェンダー装着に合わせて、トレッドをハッチバックより広げるなど、きめ細かい最適化を図っていることも見逃せない。

時代の流れとともに、クロスオーバーの嗜好性も変わってきた。昔はオフロードを走れることが必須だったが、現在はセンスのいいアウトドアファッションをまとうことが最重要課題になっている。

長年クロスオーバーを手がけてきたスバルは、こうしたトレンドの変化を知り尽くしている。

だから車高を上げず、デザインで差別化を図るという割り切りができたのだろう。クロスオーバー作りのサジ加減が絶妙なのである。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

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