駆け抜けろ!スバル360 高速道路へ挑戦! グレートレース【第2日目】

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SUBARU360と同世代の欧米車は高速に強かった

アメリカ縦断グレートレースの2日目は行程500km超のロングドライブとなる。加えて80km/h以上で連続走行しなければならないことも多く、高速道路が無かった時代に開発されたスバル360にとってみれば楽な距離&速度ではない。おそらく開発責任者だった百瀬さんもこんな時代が来ると予想していなかったことだろう。

一方、同じ頃には販売されていたアメリカ車やヨーロッパ車を見ると、驚くほど強い!

1964年式であればアメリカンパワーが炸裂する黄金時代前夜。クーラーやパワステなど当たり前! 余裕で130km/h以上の巡航など出来る。加えてタフでシンプルな構造のため壊れる心配など全くない。日本とアメリカの差を思い知る。

考えてみたら50年前に見た「奥様は魔女」など、今の日本より裕福な感じ。もっといえば昭和初期の頃の、見た目は岩石オープンやヒュードロクーペのようなクラシックカーだって余裕でキツい坂を上り、高速道路で100km/h巡航している。

>>スバル360で挑む!グレートレース2日目の様子を写真でチェック

スバル360がアメリカの厳しい高速に挑む!!

まさしくトヨタの社史を紹介する『リーダーズ』の世界を目の当たりにした感じ。日本がアメリカで自動車を販売しようとした当時、日本車は全く通用しなかったということを「ミスターK」と呼ばれアメリカ人から親しまれていた故片山さんに聞いた。

日本側に「100km/hで走れるクルマを作って欲しい」と言うと、確かに平坦地では100km/h出るクルマが届いたという。

しかし走らせると全くお話にならない。スバル360も最高速100km/h。短い時間の90km/h巡航なら可能。ただ平坦地に限る。

アメリカの広大な土地だと長い登り坂も少なくない。登り坂にさしかかるや、ドンドン速度は落ちて行く。100km/hで走り続けようとすれば、トルクやパワーの余裕が必要なのである。

高速道路も無い国が100km/hの連続走行は、当時だとイメージ出来なかったろう。

しかもスバル360の2ストローク空冷エンジンは、様々な難しさを持っている。登り坂で連続して負荷を掛けた後、下り坂に差し掛かってアクセル戻すと冷却と潤滑が足りず焼き付きを起こしたり、2ストロークオイルにも気を遣わなければならない。国からエンジン排気量の制限を掛けられ、これまた厳しさに繋がっている。

スバル360の設計思想が見えてきた! 3日目はボウリンググリーンへ

とはいえ、2日目になって少しづつスバル360の設計思想が見えてきた。メインテナンスをしてくれている喜多見さん(私が知る限りこれほどクルマの技術を幅広く知っている人がいない)も、徐々に「このクルマは凄いかもしれない」。予算や使える部品の品質に制約を受けながら、ベストを尽くしているという。だからこそトラブルに耐えている。

何とかゴールさせることが出来たなら、メンテすると元気よく走り出せるのだ。今日はキャブレターのオーバーホールをした。文頭に書いた通り飛行機の技術者だった百瀬さんは、アメリカで走るスバル360を見てどう思うことだろう。嬉しいことにどこの街に行ってもスバル360は大人気!

明日はボウリンググリーンまでの400kmだ。

[Text:国沢光宏]

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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