ミラーレス車の認可OKは国交省の独り相撲?ミラーレス車は本当に出るの?

ミラーレス車の認可OKは国交省の独り相撲?ミラーレス車は本当に出るの?
マツダのコンセプトカー「RX-VISION」 東京モーターショーに出品されたスズキのコンセプトカー「マイティデッキ 」のミラー代わりのカメラ ドアミラーが無いスズキのミニバンコンセプトカー「エアトライザー」 ドアミラーが無いスズキのミニバンコンセプトカー「エアトライザー」 日産「スマートルームミラー」画像はミラーで表示した場合 日産「スマートルームミラー」画像はカメラで表示した場合 ミラーが無いバスのイメージ:FUEL CELL BUS (フューエル セル バス) ホンダ オデッセイの後方支援カメラ ホンダのブラインドスポットインフォメーション 画像ギャラリーはこちら

どこのメーカーが生産する?

日産「スマートルームミラー」画像はカメラで表示した場合

6月18日よりミラーレス車の製造がOKとなる。

ミラーレス車とは「現在車体外側に装着されているバックミラー(乗用車などのドアミラー)の代わりをカメラで行う」というもの。すでに液晶ルームミラーなら日産などが乗用車に採用しているし、トラックなど広く普及している。

今回解禁になるのはメインのバックミラーだ。

となると、気になるのは「果たしてどこのメーカーが本日からミラーレス車を生産するのか?」というもの。

もっと「認めて欲しい」技術はたくさんあるのに…

東京モーターショーに出品されたスズキのコンセプトカー「マイティデッキ 」のミラー代わりのカメラ

調べてみたのだけれど、少なくとも日本の大手自動車メーカーでミラーレス車の生産を開始しているケース無し。そもそも本日から生産を開始するのなら、認可はとっくに下りているハズ。

新型車やマイナーチェンジモデルにミラーレス車があるという情報も入ってこない。もしかして国交省の独り相撲か?だとしたらニーズが無いのに認可すると言ってることになる。

裸の王様のようで超カッコ悪い。自動車メーカーが国交省に対し「認めて欲しい」と懇願している技術はたくさんあるのに。

そもそも乗用車のミラーレス車なんて技術的に難しい。例えば雨。ミラーなら大きな面積を持つため、雨粒が付いても必要最小限の視界は確保可能。

けれど小型のカメラだと、小さい雨粒や汚れ付いただけで画像乱れてしまう。対策も出来るだろうけれど、コストが掛かりデザインの自由度も制限大。

「これはスゴイ!」というクルマが登場間近?

ミラーが無いバスのイメージ:FUEL CELL BUS (フューエル セル バス)

デザインといえば、カメラを付ける場所も難しい。車体に密着させたら後方視野を確保出来ず、かといって張り出せば貧弱な格好になる。その上で雨粒対策もしなけばならない。リア窓の室内側なら濡れない、と思うだろうけれど、車体後方は巻き上げる水しぶきにより、視界が大きく落ちてしまう。

といったことは国交省の役人だって簡単に考えられるハズ。オタンコではない。それでも認可に踏み切ったのだから、近々「これはスゴイ!」という車種やアイデアが出てくると考えるべきだ。

乗用車でなくても、バスやトラックに採用されるのかもしれない。はたまたBMWi8など輸入車か?

参考までに書いておくと、人間の目と同等の分解能力や反応速度を持つカメラ+表示画面+ソフトを構築しようとした場合、現時点では最低50万円くらいのコストが掛かると言われている。

人間の目より能力が低いカメラなど不要。果たして初採用の車種はなんだろう?分かり次第、お伝えします。

[Text:国沢光宏]

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

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