航空機メーカーだからこそ水平対向エンジンが誕生した!…「スバルの歴史」を辿る

スバルブース
スバル インプレッサ SPORT(プロトタイプ)栄エンジン

世界中に航空機メーカーを前身とする自動車メーカーは数多く存在する。しかし、その航空機メーカーとしての存在感や歴史もいまだに相当の大きなアピールポイントとなっており、またそうでなければ今のすべてはありえないというほど、ストーリーとしての必然性と連続的な関係という点で、スバルほど強烈にクルマ作りにもその影が見え隠れするブランドも少ないだろう。

『オートモビルカウンシル2016』の会場を歩いてきて、“航空機メーカーが自動車メーカーになった”というより、“航空機メーカーだからこそ作ることができたクルマたち”そんなメッセージを、今改めて認識することができるのがスバルブースだった。

ここでは、新型「インプレッサ」をはじめ、スバル「1000」や空冷星型エンジン「栄」が展示されており、スバルの歴史を感じることができた。

スバルの歴史を辿る

栄 21型(ハ-115)エンジン
栄エンジン

スバルの前身は1917年創業の中島飛行機。2017年、その創立から100周年を数える。世界にその名をとどろかせる優秀な航空機を多数輩出してきた中島飛行機だが、会場にも同社が開発した空冷星型エンジン「栄」が展示されていた。このエンジンのように、ピストンが向かい合って動く航空機用のエンジンを作っていたことから、のちに自動車用のパワーユニットとして水平対向エンジンに大きなアドヴァンテージがあることを訴え続けていくきっかけにもなるのである。

またここでの展示からは、のちに富士重工業になってからもエアロスバルをはじめ、ボーイングの旅客機の設計・製造も担当するようになるなど、まさに航空機メーカーが作っているクルマ。それこそがスバルなのだということがよくわかる。

ボクサーエンジン50周年

スバル 1000 デラックス
水平対向4気筒 BOXER

そして、今年はそのスバルのコアテクノロジーの1つであり、今や誇りそのものといってもよいBOXER、水平対向エンジンがスバル「1000」に搭載されてデビューしてから50周年を迎える。今では主流になったFFレイアウトを国産車ではいち早く取り入れ、コンパクトなボディの中に広い室内空間を実現したスバル1000は、エンジン以外でも非常に先駆的な内容を多く取り入れた乗用車だったのだ。

低重心で滑らかなフィーリング、前面衝突時にフロアに潜り込みやすいというパッシブセーフティの考え方をその構造自体が内包して登場した水平対向エンジンは、スバルが自動車に求める、安全で高い走りの質感を併せ持った優れたパッケージのクルマというベースとなる条件を満たすうえで不可欠なエンジンだと言えるだろう。

すべてのスバル車(OEM車を除く)に水平対向エンジンを搭載

スバルブース

そしてこういうラインオフするクルマ一台一台に込められて世界中に発信されるメッセージは確実にその実を結び、2015年の時点でスバルが自社で製造し世界で販売するすべてのクルマに水平対向エンジンを搭載している(OEM車を除く)。また、路面と常に高度なコミュニケーションをドライバーにもたらし、ドライビングフィールにおいても安全性でも重要な役割を果たすAWD車が世界販売台数の98%にのぼり、さらに、運転支援装置として早くから注目を浴びたEyeSightの装着率もすでに国内販売の83%に達しているという。

情緒に訴えるだけでなく、メーカーとして譲れないこだわり、そういうものを強く発信し続け、かつての夢のクルマが、いつの日か私たちの日常の常識になる。こういう広がりもまた、自動車文化の忘れてはいけない側面であるということを、オートモビルカウンシル2016で伝えたスバルブース。

もちろん日本の茶の間でクルマの話題が出るようになるきっかけを作ったといってもよい、スバル360も展示されたが、中村亜人(なかむらつぐと)スバル国内営業本部マーケティング推進部担当部長のプレゼンテーションを聞き、スバルの歩んできた長い時間を少し振り返ってみて、この大地を駆けることで大空以上にはばたけることを知り半世紀を歩んできた会社なのではないか。そんな思いに至ったものである。

誰よりも羽ばたいていた中島飛行機、しかしスバルになって、その、世界の自動車の中でも燦然と輝く孤高の志と個性が紡ぐ六連星は、どれだけ羽ばたいて来ようと決して追いついては来れまい高みへと、今も、これからも昇り続ける事だろう。

[Text:ダブルクラッチ/Photo:小林岳夫・富士重工業 株式会社]

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