スバル レヴォーグに“STI”の名を冠した最上級モデルが登場!「レヴォーグ STIスポーツ」【徹底解説】(1/2)

スバル レヴォーグに“STI”の名を冠した最上級モデルが登場!「レヴォーグ STIスポーツ」【徹底解説】
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“スバル”を明確に表現していると言える「レヴォーグ」

スバル WRX STIスバル レヴォーグに搭載されているFB16型 1.6リッター DOHC 16V デュアルAVCS 直噴ターボ ”DIT”ガソリンエンジン

スバルはバブル経済期でも車種の数をあまり増やさず、絞り込んだクルマ造りを行ってきた。

これを支えるのは、スバルが長年にわたって採用を続けてきた「水平対向エンジン」と独自の4WD技術「AWD」だ。さらに、今では高性能な緊急自動ブレーキと全車速追従型のクルーズコントロールを併せ持つ「EyeSight」も加わった。

トヨタのハイブリッドシステム、マツダのスカイアクティブテクノロジーなど各社とも独自の技術を備えるが、スバルの水平対向エンジン/4WD/EyeSightは、OEMによる軽自動車を除けばほぼ全車に採用される。スバルほど技術指向の強いメーカーは少ないだろう。

水平対向エンジンは重心を低く抑えることが可能で、4WDは駆動力の伝達効率や走行安定性を向上させる。これはさまざまな性格のクルマにメリットをもたらし、高性能なスポーツモデルでも効果が高い。

そこでスバルは水平対向4気筒の2リッターターボのみを搭載するWRXを設定し、ほかの車種にも2リッターターボのスポーティグレードを用意する。

スバル レヴォーグ 1.6 STIスポーツアイサイト

この特徴を明確に表現したのが、ステーションワゴンの「スバル レヴォーグ」だ。

スバルは1980年代の初頭から、レオーネに水平対向エンジンを搭載する4WDのワゴンを設定していた(商用バンの4WDは1972年)。この流れがレガシィツーリングワゴンに発展して洗練度を高め、現行レガシィが北米指向を強めてワゴンをアウトバックに統合したのを受けてレヴォーグの登場となった。

従って、レヴォーグはスバルの中核的な存在だ。国内市場を重視して開発されたからボディもミドルサイズで扱いやすい。エンジンは今のスバル車では唯一の水平対向4気筒1.6リッターターボと、WRXも採用する2リッターターボの組み合わせだ。

レヴォーグへ追加された最上級モデルには“STI”の名が!

スバル レヴォーグ 1.6 STIスポーツアイサイト

このレヴォーグへ今回、新たに「STIスポーツ」と呼ばれるモデルが加わる。

STIは「スバル・テクニカ・インターナショナル」の略称で、モータースポーツのパーツなどを手掛ける一方、スバル車をベースにしたコンプリートカー(チューニングを施された完成車)も開発している。

そのために、レヴォーグSTIもスポーツ性をさらに高めた仕様と受け取られるが、コンセプトは従来のSTIとは少し違う。

スバル レヴォーグ 1.6 STIスポーツアイサイト
スバル レヴォーグ 1.6 STIスポーツアイサイトスバル レヴォーグ 1.6 STIスポーツアイサイト

スポーツ性よりも質感を向上させるセッティングを施した。クルマが備える走りの性格は、主に走行性能を高めるスポーツ性と、乗り心地を中核とした快適性に分類され、レヴォーグSTIはこの2つを両方とも向上することを狙った。レヴォーグが持つ走りのバランスを変えず、商品力を総合的に高めた仕様と考えれば良いだろう。

足まわりには、専用チューニングされたビルシュタイン製ショックアブソーバーと、コイルスプリングを使う。

前輪側にはDampMaticII(ダンプマチックII)と呼ばれるショックアブソーバーを装着した。メインバルブのほかにコンフォートバルブと呼ばれる2つ目のバルブを設けたことが特徴だ。

通常の走行領域では、オイルの流量を増やして減衰力を下げることで乗り心地を向上させる。コーナリングや大きなデコボコを乗り越えた時は、ボディの動きをしっかりと受け止める。コイルスプリングもショックアブソーバーに合わせてチューニングを行った。

ちなみにDampMaticIIは、現行型のWRX・STI・S207に日本車で初採用された。レヴォーグSTIスポーツでも、走行性能と併せて乗り心地を向上させるコンセプトにかかわるメカニズムに位置付けられる。

このほか電動パワーステアリングは、専用のクランプスティフナーによって補強され、支持剛性を高めることで操舵感を正確にした。

STIスポーツでは外観も異なり、フロントグリル/バンパー、18インチアルミホイールは専用のデザインになる。同じく専用のLEDフロントフォグランプ、大型デュアルマフラーカッターなども備わる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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