トヨタ ウィッシュ 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:小宮岩男
待望のコンパクトサイズの7人乗りが登場。人気のホンダ・ストリームに真っ向勝負だ。
宇多田ヒカルがテレビCMソングを歌うウィッシュは、乗用車感覚で運転できる7人乗りのミニバンだ。ボディはコンパクトな5ナンバーサイズで、背が高くないところと4枚ドアが特徴になる。このジャンルは車種が少ないこともあって、コンスタントに月販平均6千台強を登録するストリームの独断場と化している。ウィッシュを開発するにあたり、決してストリームをターゲットにしたわけではないというが、蓋を開けてみれば真っ向勝負。ユーザー層をはじめ、スポーティな走りの演出など、目指す方向が同じなのだから当然だろう。
ウィッシュのベースはプレミオ/アリオン。50mm長い2750mmのホイールベースを用いて、「メタルカプセル」と表現するモノフォルムスタイルにまとめている。縦長のヘッドランプは、最近の“トヨタ顔”だそうだ。
大人が座ることを考えた3列分のシートと使い勝手を考慮したアレンジメントは好感が持てる。
運転ポジションは、背の高いミニバンに比べると着座位置が低いおかげで乗用車感覚の居心地のよさが得られる。当然、乗り降りもしやすい。フラットなダッシュパネル形状が前方視界を確保しているけど、ワンモーションフォルムゆえに奥行きが長く、車幅感覚は多少つかみづらいかもしれない。ギザギザゲートの ATシフトは、ちょっと出っ張ったセミインパネタイプだけど、サイドウォークスルーは楽にできた。
前後に195mmスライドできるセカンドシートは、余裕の居住空間を備えている。ヘッドレストをはずすことなく、ダブルフォールディングできるのも便利だ。サードシートは背もたれが肩まであり、大人がちゃんと座れる大きさを確保。足元は狭めだけど、短時間の移動なら大人2人乗車も可能だ。好感が持てたのは、ワンアクションでフラットなラゲッジが生まれることと、室内とバックドア側の両方から操作できること。群を抜いた乗り降りのしやすさは、大きな開口部のリアドアとセカンドシートのロングスライドの恩恵だ。
熟成されたエンジンフィールは乗りやすさが光る。スポーティな2Lエンジンの追加が楽しみだ。
エンジンは「超-低排出ガス」認定を取得した1.8L VVT-iを搭載。走ってみると、想像以上に軽快な加速感を見せてくれた。勾配のきつい登り坂でも車重の重さは気にならなかったし、頻繁に変速を行わないおかげで快適なクルージングが味わえる。ライバルのストリームは、1.7Lと2.0LのVTECエンジンを積み、吹き上がりの気持ちよさを自慢としている。ウィッシュは、低中速域のフラットなトルクによる乗りやすさが持ち味だ。その分、“スポーティ”という印象は薄いかもしれない。けれども、今春には 2Lエンジンを追加する予定。ワクワクする加速感が期待できそうだ。
足回りはサードシートの居住性を確保するために、取り付け位置を50mmほど下げ、なおかつ斜めに角度がつけられた。セッティングもリヤのスプリングを2割ほど硬め、トーションビームの板厚を1割程度アップしている。多人数の乗車を考えて、ロール剛性をあげているのだ。
安定感のある乗り味は熟成された乗用車感覚。内装色のバリエーションが欲しい。
ロールが抑えられたウィッシュの走行フィールは、乗用車時の安定感がウリ。連続するコーナーでの身のこなしは、シャキッとしていて好印象だった。ただ車速センサーの情報に応じてアシスト特性を変化させる、電動式パワステの操舵フィールはちょっと違和感が残る。2WDのX“Sパッケージ”はセンターの重さが少しあり、微操舵時の応答も気持ちダルイ。Xの4WDは、全体的に軽くもう少し手応えが欲しい。雨で路面が濡れていた影響もあるが、コーナリングはややアンダーステア傾向が強く、ステアリングを多めに切る感覚だ。
ボディカラーは全8色。ただし“Sパッケージ”はライトブルーメタリックとゴールドメタリックが選べない。また内装色はすべてダークグレーとなる。スポーティイメージの演出というが、明るい内装色の方が楽しさと開放感が得られる。ブルー系やオレンジ系などのシート生地&トリムが望まれる。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。