ホンダがシビックを7年振りに日本で復活させる本当の理由(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:本田技研工業
開発の本音は意外なところにあった
「(自動車産業界が大変革期に突入した)いま、我々にとって最も大切なことは、原点回帰です。ホンダとして、モノ造りを今一度見つめ直したい」。
つい先日、ホンダの開発部門の幹部らと意見交換した際、そろそろ会もお開きになるという段になって、ホンダ側からこうした言葉が出た。
この時の状況を、さらに詳しく説明すると、まず筆者が本田宗一郎氏の言葉を引用し、これからのホンダのあるべき姿について自問自答した。これに対して、ホンダ側が「原点回帰」という言葉を使い、ホンダとしての熱い想いを語ったのだ。
また、そうした会話のやり取りの中で、ホンダ側は日本のシビック復活についても触れた。つまり、日本でのシビック復活は、ホンダにとって“原点回帰への証明のひとつ”なのだ。
なんとも抽象的な表現で、読者の皆さんには分かりにくいと思う。だが、ホンダ側と対話したその場で、『ホンダはなぜ、このタイミングでシビックを日本で復活させるのか?』という謎について、筆者としては明確な答えが見えたような気持ちになった。
ホンダ国内営業の考え方はもっと現実的
一方で、日本の国内営業にとって、シビック復活は必要という判断だ。ホンダにとって、Cセグメントでライバルたちに真っ向勝負できる戦力が必要なのだ。
ただし、誤解がないように申し上げておきたいが、これは筆者の個人的な解釈であり、国内営業の関係者が直接発言した内容ではない。
現在、ホンダの日本投入モデルはハイブリッドを単独モデルとしてカウントしないと、合計24車種。中核は、軽自動車のNシリーズとBセグメントのフィット、さらにミニバンのフリードとステップワゴン。その他では、トヨタCH-R参入で今後さらなる盛り上がりが期待されるSUVのヴェゼルが奮闘している。
セダンでは、アコード、レジェンドという大御所と、比較的新しい戦力であるグレイスの3モデル。シビック全盛期は、日本市場のボリュームゾーンはCセグメントセダンであったが、近年の日本におけるCセグメントは“プリウスひとり勝ち”が長らく続いてきた。そこに勝負を挑んだのが、マツダとスバルだ。両社は、「走る歓び」を前面に押し出して、グローバルCセグメントの王道であるマツダ・アクセラと、スバル・インプレッサで、飛び道具満載のトヨタ・プリウスに挑んできた。そうした愚直な戦い方が、今日のマツダとスバルのブランドイメージの確立へと結びついた。
このようなマーケットの状況を、全国のホンダのディーラーは歯がゆい想いで見つめてきた。それが、目を海外に向けると、アメリカでは2015年11月に発売された10世代シビックが、グローバルプラットフォームの採用、斬新なデザイン、加えてスポーツ性を強調する1.5リッターVTECターボも後押しとなり販売が好調。2016年1~11月の累積販売台数は、前年同期比109%増の33万5445台を記録している。となれば、日本のディーラーからも、ホンダの“走る歓び”をダイレクトに訴求する商材として「是非とも、シビックが欲しい」という声が挙がるのは当然だ。
その他、生産の観点からもシビックは重要な位置にいる。日本におけるホンダ車の需要がNシリーズへと偏在が進む中、グローバルプラットフォームとなった10世代シビックは、狭山工場の生産効率を上げるために必要不可欠な存在だ。
また、八郷社長が今年2月に「2018年までに日本でシビック復活を目指す!」と発表した時点では、ホンダとしてはトランプ政権誕生を想定していないはずだ。来年以降、トランプ氏が大統領選挙中に公約した通り、対米輸出の関税が上昇する場合、狭山工場のあり方を根本から見直すことになる。そうなれば、なおさら日本向けシビックの存在感が増す。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。





