ホンダが世界初となる「スマート水素ステーション」を独自開発 ~ゴミ発電で生成した水素を使ってクルマを走らせる~

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ホンダが世界初となる「スマート水素ステーション」を独自開発 ~ゴミ発電で生成した水素を使ってクルマを走らせる~
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ゴミ焼却の余熱を利用した廃棄物発電で水素を生成

スマート水素ステーション引き渡し式テープカット

水素は水を電気分解することによって得られるエネルギーで、自動車の燃料としては走行時に水しか排出しないクリーンな次世代エネルギーとして注目されている。

今回、本田技研工業は、岩谷産業と共同でパッケージ型「スマート水素ステーション」を開発、さいたま市のゴミ処理施設である東部環境センターに「スマート水素ステーション」を設置し、引き渡し式を行った。

なぜゴミ処理施設に水素ステーションを設置したのか?

それは、さいたま市東部環境センターがゴミ焼却の余熱を利用した廃棄物発電を行っているから。その電力で水を電気分解し、ここで得られた水素をさいたま市が所有するホンダの燃料電池自動車「FCX クラリティ」の燃料として利用する実証実験を行うことになったというわけだ。

「スマート水素ステーション」の設置は約1日で完了

スマート水素ステーションホンダ FCXクラリティ

ホンダが独自開発した「スマート水素ステーション」は、非常にコンパクトで設置が簡単であることが特徴。3mx2.5mのコンテナサイズで水素を製造することができるため、限られたスペースでも設置することが可能だ。

また、水素ステーションを工場で組み立てることにより、基礎工事が完了していれば設置工期は約1日程度と非常にスピーディで、高圧水電解システムとしては世界で初めて「パッケージ化」が実現した。

「スマート水素ステーション」は1日に1.5kg、年間で500kgの水素を製造することができ、18kgの水素を貯蔵する機能を持っている。(500kgの水素で燃料電池車が5万km走行することが可能)

また、水素の満充填にかかる時間は約3分と、ガソリン給油とほぼ同等の時間で完了する。

一般的に商用水素ステーションの設置には5億円かかるといわれているが、この「スマート水素ステーション」が今後普及する段階になれば、商用水素ステーションの10分の1程度の設置料を目指すという。 (今回設置されたステーションは実証実験の段階ということで費用は非公開)

さいたま市の「ホンダ FCXクラリティ」

なお、さいたま市の「ホンダ FCXクラリティ」は、燃料電池に蓄えた電力を外部に供給することができる機能を備えるよう改造されたもの。同市では全国に先駆けて、小中学校50校以上にソーラーパネルと蓄電池の設置をすすめており、「FCXクラリティ」から小中学校の蓄電池に電力を継ぎ足し給電することにより、非常時の電源供給としても活用することが可能となる。

次世代エネルギーとして水素の果たす役割に期待

本田技研工業 取締役専務執行役員 兼 本田技研研究所 代表取締役社長 山本芳春氏

式典に出席した本田技研工業 取締役専務執行役員 兼 本田技研研究所 代表取締役社長 山本芳春氏は、「ホンダ独自技術である高圧水電解システムを無事設置することができた。この度実証実験を開始した「スマート水素ステーション」は、今後の燃料電池自動車の普及において大変重要な役割を果たすことになるだろう。FCXクラリティはゼロエミッションでありながら、爽快な走行性能とガソリン車と同等の長い航続距離、短い充填時間を特徴とする究極のクリーンカー。FCXクラリティは移動可能な発電機としての機能も持っており、非常時にもお役に立てるものと考えている。今後もスマート水素ステーションやCO2排出量ゼロの燃料電池自動車を通じ、太陽光発電をはじめとする様々なエネルギーの有効活用技術、エネルギーの地産地消に向けた提案をしていきたい。」と述べた。

さいたま市 市長 清水勇人氏

また、さいたま市 市長の清水勇人氏は、「この東部環境センターは昭和59年に、県内初となるゴミ発電を備えた焼却場として稼働を開始した。この施設に世界で初となる、ごみ発電の電気で水を電気分解して水素を作る「スマート水素ステーション」を設置できたことを大変誇りに思う。今回の設備は、焼却場を持つ全国の自治体において実現可能な導入モデルで、燃料電池自動車は災害時の電源としても有効活用できる。また海外でも導入可能なパッケージであり、さいたま市が政令市として期待される役割にも応えることができるものと考えている。」とコメントした。

トヨタ自動車も2014年度内に水素を燃料とした燃料電池自動車を一般ユーザーに販売を開始すると発表しており、燃料電池自動車の普及のためには水素ステーションのインフラ整備が不可欠となる。

コストや設置場所、技術基準の整備など官民一体となった取り組みが必要となるが、ホンダが開発したコンパクトな水素ステーションが全国各地に設置されるようになれば、大型の商用水素ステーションを補完する役割を担っていくものと期待される。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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