アルファ ロメオ x ザガート「TZ3 ストラダーレ」新型車速報
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世界でわずか9台しか造られない超レアなアルファ、そのさらなる特注モデルが日本に!
アルファ ロメオとは非常に縁が深い、イタリアの名門カロッツェリア「ザガート」社。
同社の創業90周年と、アルファ ロメオ社の創業100周年を記念して、スペシャルモデル「Alfa Romeo TZ3 Stradale(アルファ ロメオ ティー・ゼット・スリー ストラダーレ)」が造られた。世界でわずか9台のみ生産する計画で、しかも今のところこの世に存在するのはまだ3台のみという希少なモデルの1台が、日本にやってきた!
しかもこのモデル、イタリアのファッションブランド「CoSTUME NATIONAL(コスチューム・ナショナル)」の創始者でありデザイナーのエンニョ・カパサ氏がインテリアを手がけた特注仕様なのだ。
イタリアの3大ブランドがコラボレーションし誕生したスペシャルなモデル「アルファ TZ3 Stradale」。その日本初披露の模様をお届けしよう。
TZ3 Stradaleのチーフデザイナーは日本人
日本での公開を記念し、スペシャルなゲストが来日した。イタリア・ザガート社のチーフデザイナーで、アルファ TZ3 Stradaleを手がけた原田 則彦 氏と、CoSTUME NATIONALのエンニョ・カパサ氏だ。
アルファ ロメオとザガートのコラボレーションは特に長い歴史を持つが、中でも1960年代にレーシングGTとして造られた通称「TZ1」「TZ2」といったモデルは、テールエンドを断ち落としたかのような「コーダ・トロンカ」と呼ばれるデザイン手法を用いて、世界中に衝撃を与えた。アルファとザガートにとっても、いわば「アイコン」のような歴史的モデルとなっているのだ。
原田氏は1994年からザガート社にチーフデザイナーとして在籍し、ハンドメイドで生産される数多くのザガート車のデザインに携わってきた。今回のTZ3 Stradaleは、年代を超え今も親しまれるコーダ・トロンカの意匠を受け継ぎ、最新の技術で世に問うべく誕生したデザインだと語る。
その特長を生かすため、 TZ3 Stradaleではテール前方(車体後部)の面に向かい、可能な限りスムーズに大きく残し「流れ」を造った。それによりコーダ・トロンカの切り口が強く見えるように工夫したのだ。車体前方からのダイナミックな流れを「スパッと切る」という造形意図だ。原田氏いわく、とてもスリリングな造形に出来たと自負する。
またその流れを遮断せず強調するために、ピラー(屋根を支える柱部分)を黒くしガラスで囲まれたようにみせるなど、実験的な要素も盛り込んだという。
アルファ ロメオに魂を奪われる!
もともとアルファ ロメオの歴史的な何台かのモデルに対し、魂を奪われるような思いをした経験があるという原田氏。その美しさはどこか即興的であり、全て完成しているワケではないが、例え小さな欠点すらかわいらしく思えるほど、強く心を奪われると話す。
このようなデザインが生み出すイタリア、そしてイタリア人の中にある「何か」に対し、学生時代から強く興味を抱き、そして最終的に原田氏をイタリアに向かわせるにまで至ったというから凄い。
世界でまだ3台しかないうちの、さらに特別な1台である「Alfa Romeo TZ3 Stradale」。CoSTUME NATIONALのエンニョ・カパサ氏も、博物館で60年代のアルファ ロメオを実際に観察しながらインスピレーションを得て、クルマにいかに美しい「服」を着せるかについて、刺激的な体験が出来たと楽しそうに語った。
この特別なTZ3 Stradaleは、8月31日から9月17日まで、東京・青山のCoSTUME NATIONAL Aoyama Complexで一般に公開される。この機会を逃すと次にいつ見られるかも分からない、特別な体験だ。クルマのデザインに興味があるならば、ぜひ実際に見て欲しい1台だ。
『CoSTUME NATIONAL×Alfa Romeo Welcomes TZ3 Stradale to JAPAN』
開催期間:2012年8月31日(金)~9月17日(月・祝)11:00~19:00/会場:CoSTUME NATIONAL Aoyama Complex[東京都港区南青山5-4-30]/入場料:無料/特設ウェブサイト: http://jp.alfaromeo-jp.com/artanddesign/
◎参考:
■アルファロメオ、展示イベント「コスチューム ナショナル × アルファロメオ Welcomes TZ3 Stradale to JAPAN」開催[2012年8月31日]
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