車のエアコンの設定温度を変更しても燃費は変わらない？

公開日:2011/08/14 00:00 最終更新日:2011/08/14 00:00

あるジャーナリストの方がおっしゃっていたのですが、車のエアコンの温度設定が高めでも低めでも、ガソリンの消費量は変わらないと言う事だったのですが、本当でしょうか？

今まで少しでも燃費改善になればと設定温度を若干上げていたのですが・・・教えてください（もずく）

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします！

これは、クルマによって違う、と申し上げさせていただきます。

私も、どの車種ならどうかという、厳密なところまではわからないのですが、たとえば私が昔乗っていたマセラティ430は、設定温度によってコンプレッサーのＯＮ／ＯＦＦだけで調整するタイプで、そのため、エアコンの温度を設定しておいても、暑くなったり寒くなったりが、かなり激しかったです（笑）。

家庭用エアコンでは、安価な窓用エアコンだと、今でもこういう荒い動きをしますね。

それ以前のいわゆる「クーラー」の時代は、風の冷たさは常に一定。

つまりスイッチを入れたらＯＮしかないタイプで、私の愛車歴ではランボルギーニ・カウンタックがそうでした。といっても、初走行でコンプレッサーがブチ壊れ、一度も使わないまま手放してしまいましたが。

しかし、最新のクルマであれば、もっと細かい制御をしていますので、エアコン設定温度によって、燃費は変わってきます。なので、もずくさんの行っていた「節約」は、ムダではなかった可能性があると思います！

現在の家庭用エアコンは、設定温度で消費電力が変わるのがアタリマエですよね？

クルマも、設定温度が高ければ、本来、その分コンプレッサーの動きを緩めた方が、エンジンの動力をそれだけ使わずに済みますから、その分ガソリンが節約できます。

以前はそれが技術的に難しく、設定温度を高くしても、コンプレッサーは回りっぱなしで、設定温度が高い分は、エンジンの排熱を混ぜて調整したり、私のマセラティのように、コンプレッサーを動かしたり止めたりで調整していました。

しかし、これでは効率が悪い。各社、燃費でしのぎを削っているわけですし、乾いたぞうきんでもしぼりまくるのが当然なのですから。

現在のカーエアコンは、コンプレッサーそのものに、外部可変容量制御タイプや電動タイプが登場しており、設定温度によって、こまめに負荷を調整し、最小のパワーで室内を冷やすことができます（全部ではないですが）。

こちらのタイプなら、設定温度を高めにした方が、多少燃費はよくなるのです。

ちなみに、私がたまたま読んだ某誌のテストでは、最新のクルマの場合、エアコンを「オート」にしておいた方が、手動モードよりも燃費が向上するという結果が出ていました。

オートの方が手動より、効率よくコンプレッサーを制御できる、ということでしょう。

ご自分のクルマがどっちのタイプのエアコンかは、ディーラーで尋ねてみてください。そこまで構造に詳しい人はごく少ないので、即答できるディーラーはなかなかないと思いますが……。

で、可変タイプの場合、設定温度を高くするとどれくらい燃費が向上するかですが、これは車種や走行条件によってまるで変わってきて、非常に難しいです。

エアコンのＯＮ／ＯＦＦによる燃費の差は、10～20％と言われているので、設定温度による差はその半分程度、だいたい5～10％くらいと考えておけばいいでしょうか。

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