ATやCVTのマニュアルモードは何のためについてるの?

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ATやCVTのマニュアルモードは何のためについてるの?

AT(CVT含む)についているマニュアルモードは何のためについているのですか?マニュアルモードがあると燃費を良くすることができますか?(ジージ)

其の疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!

ATやCVTのマニュアルモードは、クルマを、特にエンジンを機械任せではなく自分自身で積極的にコントロールしたい!という、運転好きのためにつけられています。

では、運転好きは何のために自分自身でシフトチェンジをしたいのかというと、それは燃費向上のためではなく、「ドライビングプレジャー」や「自己満足」のためです。

ATをマニュアルでシフトチェンジしても、燃費が向上することは、まず絶対にありません。

現代のATは、あらゆる状況で最適なギアを選択するようプログラミングされていますから、マニュアルでそれを超えることは、ほぼ不可能です。

効率よく走りたいなら、マニュアルモードは一切使わない方が吉です。サーキットで最も速く走りたい時ですら、マニュアルモードを使った方が遅くなる可能性があります。

しかしそれでも多くのメーカーは、特に上級車種になるほど、マニュアルモードをつけています。

それにはいくつかの理由があります。自分自身の手で、自由自在にクルマを操る時に芽生える征服欲や、自己能力拡大が産む陶酔感。20世紀、人類はそのことに熱狂しました。私が若い頃は、まだ運転がうまい男は女性の評価も高かったですし、AT車に乗っている男より、MT車を自在に操る男の方がモテました。

いま日本では、多くのクルマが冷蔵庫や洗濯機に類する生活必需品のひとつになり、そんなことは夢にも思わない人が増えています。しかし自動車メーカーは、スポーティなイメージ作りのために、あるいはごくわずかな運転好きの“絶滅危惧種”のために、ATにマニュアルモードを設定し続けているのです。

ただ、日本では絶滅危惧種でも、世界的に見ればそうでもないという実態もあります。

たとえばヨーロッパでは、今でもCVTは「とても退屈な変速機」と認識されています。なぜなら無段変速は、自分でクルマを操っている実感が薄いからです。ですから、CVTにはマニュアルモードを付けるのが必須です。

多くの新興国は、30年前の日本と同じで、クルマの運転がうまいほうがモテますから(笑)、マニュアルモードは「モテる装備」です。日本ではほぼ必要なくなっていても、海外のことを考えたら、簡単になくすわけにはいかないでしょう。

MJブロンディの「ひとりごと」

私自身はというと、ATのマニュアルモードはほとんど滅多に使いません。なぜって、やっぱりそれは単なる自己満足だから。

マニュアル車の場合は、ギアチェンジしないと走れませんし、上手なシフトは上手な運転に直結しますが、ATの場合は、マニュアルモード使用は上手な運転を邪魔することになったりします。

必要とされていないのにしがみつくのは、未練がましい男のようじゃないですか(笑)。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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