【交通マナー】看板の「ここから上り坂 速度低下に注意」とは、どういう意味?
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:オートックワン編集部
【交通マナー】看板の「ここから上り坂 速度低下に注意」とは、どういう意味?
最近、高速道路を走っていると、「ここから上り坂 速度低下に注意」という看板が目立ちます。あれはいったいどういう意味なのでしょう。
その疑問、私「MJブロンディ」がお答えいたします!
ズバリ、自然渋滞をなるべく起こさせないことが目的です。「サグ」という言葉を知ってますか?
「窪地」という意味ですが、渋滞業界では、渋滞が起きる場所のことをこう呼んでます。その典型が、下り勾配から上り勾配へ変わるポイント。
東名では「大和トンネル」、名神では「高槻バス停」が有名です。下りでは誰もがアクセルをゆるめますが、それがゆるい上り勾配に変わると、勾配の変化に気づかずに、知らないうちにスピードを落としてしまうクルマがかなりいるんです。
それがきっかけで後続車が次々とブレーキを踏み、減速が波のように後方に伝わって、最後には止まってしまう。これが自然渋滞発生のメカニズムです。
なので、その看板は、「ここから上り坂ですよー、速度が落ちてませんかー?」と、ドライバーの注意を喚起しているのです。
実際、こういった看板を設置することで、場所によっては渋滞が半分くらいに減ったケースもあって、効果は実証されているんですね。
我々ドライバーには、「混雑した高速道路で自然渋滞が発生するのを防ぐ」という、新しいマナーが求められています。
具体的には、速度の低下に注意すること。そしてもうひとつは、適当な車間距離を保つことです。車間距離を詰めすぎていると、前車の減速に対して、急ブレーキで反応してしまって、渋滞のきっかけになるからです。加えて、後続車にブレーキを踏ませるような、唐突な車線変更も避けたいもんです。
MJブロンディの「ひとりごと」
車間距離は、日本の警察が推奨する「100メートル」は不可能。すぐに割り込まれちゃいます。車間距離は、距離ではなく「約2秒」と、時間で保つのが適当。2秒は、時速100キロで55メートルになります。
これだけ車間距離を取っていれば、前車の減速に対して、おおむねアクセルオフだけで対応でき、渋滞のきっかけを作らず、逆に吸収・防止できます。
この「車間距離2秒」というのは、実は日本を除く諸外国では、非常にポピュラーな基準なんですね。日本の警察も、いい加減導入してもらいたいものです。
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