【エアバッグ】エアバッグって正面からぶつからないと出てこないの?
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
【エアバッグ】エアバッグって正面からぶつからないと出てこないの?
エアバッグは真正面からぶつからないと出てこないと聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?例えば、斜めからぶつかってしまった時などには出てこないのでしょうか。
その疑問、私「MJブロンディ」がお答えいたします!
そうです。運転席と助手席正面についているエアバッグは、正面衝突に近い角度からぶつからないと出てきません。
実はエアバッグというのは、猛烈に速いスピードでふくらむので、モロに食らうと顔が真っ赤に腫れちゃうくらいパワーがある。メガネなんか割れる可能性があるし、なるべく膨らませたくない。なので、意味のないときはできるだけ膨らまないようになってるんですね。
ただ、エアバッグは正面だけとは限らず、前席と後席の乗員を側面からの衝突から守るサイドエアバッグとカーテンエアバッグ、前席乗員の膝元を守るニーエアバッグ(高額車には標準装備、小型車にもオプション設定あり)など、いろんな種類があって、それぞれがいろんな角度からの衝突に対応するようにできてます。
エアバッグは、衝突すると車両に取り付けられたクラッシュセンサーが感知し、コンピューターの診断機構が判断した後、ガス発生器の点火装置を働かせて、燃焼ガスの膨張により0.03~0.5秒という高速で膨らませ、膨らみきった後は瞬時にしぼんで乗員の視界を回復させます。
前席エアバッグは、固定された壁に時速20~30km/h以上の速度で正面から衝突したときに作動します。衝突する対象物が、クルマのような衝撃吸収効果を持つものだった場合は、相対速度が時速40~60km/h以上になります。
衝突速度がこれよりも低かったり角度が大きい場合(正面車両に対し左右約30度以上)には作動せず、作動しても効果を発揮できない場合が多くなります。
感覚としては、ノロノロ運転時の軽めの追突など、フロントバンパーが破損する程度の衝突では作動せず、ボンネットがくの字に曲がり、エンジンまでダメージが及ぶような衝突になると作動すると考えればいいでしょう。
最近のクルマでは、衝突の程度が比較的軽い場合は、エアバッグのふくらみ具合も小さくなるという機構を採用していたりします。
また、他車に追突されたとき、自車がトラックの荷台の下へ潜りこんだとき、電柱や立ち木などに衝突したとき、横転、転覆したときは、前席エアバッグは作動しないか、作動しても効果が得られません。
MJブロンディの「ひとりごと」
すべてのエアバッグはSRS(補助拘束装置)の名が付けられていて、あくまでシートベルトを補助するモノというのが前提。全席ともシートベルトを着用してないと効果がないことを忘れずに。
また、エアバッグのユニットが装着されているダッシュボード付近に、ポータブルナビや芳香剤のビンなどを置いたりすると、エアバッグが作動したときに高速で吹っ飛ばされて、猛烈に危険です。
車内のアクセサリーの設置場所には注意してくださいね。
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