【安全装備】なぜ安全装備は全部の車に標準でつけないの?
- 筆者: 清水 草一
【安全装備】なぜ安全装備は全部の車に標準でつけないの?
クルマの安全装備というと、エアバッグとかABSとか横滑りを防止するものなど色々あると思いますが、クルマによって付いている安全装備がいつもバラバラなのが気になります。
もちろん高いクルマについている新しい装備などは仕方ないと思いますが、エアバッグでも運転席は標準だけどサイドのものはなぜかオプションだったりと良く分かりません。「安全装備」という重要な項目なのに、なぜ全部のクルマに一律で付いてないのでしょうか。
その疑問、私「MJブロンディ」がお答えいたします!
「なぜ」と問われれば、装着は義務ではなく、そこまでの需要もないから、ということになりますね。
現在、普及が進んだ安全装備の代表的なものとして、衝突安全ボディ、エアバッグ、ABS、横滑り防止機構(メーカーによってESP、VSC、VSAなど呼称は様々)が挙げられる。
衝突安全ボディは、採用しないと衝突安全基準をクリアできないので、現在はすべてのクルマに採用されている。前席エアバッグも軽自動車も含めて100%標準装備、ABSは軽自動車以外の乗用車には100%標準装備化されている。
残るは横滑り防止機構だけなんだけど、これは排気量が2リットル以上の上級モデルでないと、標準装備にまではなっていない。軽自動車を除くほぼすべての乗用車でオプション設定されているが、軽ではオプション設定もないモデルもあり、ここらあたりが「安全性軽視だ」と問題になっているわけですね。
安全装備先進国のドイツでは、数年前からすべてのクルマで横滑り防止機構の標準装備化が進んでいて、日本製コンパクトカーも当然標準装備なので、「なぜ国内販売車と差別化するんだ!」という指摘があるんだけど、最大の理由は、日本では「そこまではユーザーが望んでいないから」。
ドイツのように、小型車でも高速走行が主体なら、横滑り防止機構の必要性は高くなるが、日本の市街地の低速交通環境からすると、横滑り防止機構が必要とされる場面は多くない・・・というのが現状だ。
横滑り防止機構を標準装備化すると、少なくとも数万円は値上がってしまうため、単なる足グルマとして低価格の小型車や軽自動車を求める場合、横滑り防止機構が付いているよりも、より安いほうが嬉しいという声が圧倒的なのである。
MJブロンディの「ひとりごと」
横滑り防止機構を、じいちゃんばあちゃんのゲタである軽自動車にまで付ける必要があるのかどうか微妙だけど、ABSはどうでしょう。
こっちは絶対必要だろう!という気もするけど、考えてみると、おじいちゃん・おばあちゃんは、ABSが効くほど強くブレーキを踏めるのか?
それ以前に、とっさに急ブレーキを踏めるだけの反射神経があるのか!?という疑問に突き当たる。
結局、自動ブレーキが必要なんじゃないか、という話になり、きりがない。どんな装備をつけても「絶対安全」は実現しないので、非常に難しい問題ですね。
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