【シートベルト】後席の3点式シートベルトを標準化しない理由って?

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【シートベルト】後席の3点式シートベルトを標準化しない理由って?

最近、後席に乗った人もシートベルトを締めることが義務化されましたけど、その割に後席のシートベルトは2点式のままのクルマが多い気がします。安全性に問題はないんでしょうか?

その疑問、私「MJブロンディ」がお答えいたします!

そもそも日本では、長年にわたって後席シートベルトの重要性の認識が薄かった。たとえクルマが正面衝突しても、後席の乗員は、なんとなくフロントシートの背面に守られそうな気がするということで、後席は前席よりも安全というイメージを持っている人は未だに多い。

でも、実際の衝突事故では、後席の乗員がフロントガラスを突き破って車外に飛び出すことも少なくないし、前席の人に激しくぶつかって、両方とも死傷する確率が数十倍も高まる。

衝突実験でも、前席と後席とでは安全性にほとんど差がないことが実証されているのです!その事実はずーっと以前からわかっていたことなんだけど、やっぱりこういうことは、法律で義務付けないと、みんなやらないんだよね…。

2007年の調査では、後席シートベルトの着用率はたったの10%くらい。そこで、いよいよ警察も重い腰を上げ、2008年の6月から後席シートベルトの着用を義務化。同年10月からは、高速道路に限って、違反点数1点の取り締まり対象(運転者の点数を減点)にもなったというわけです。

ただ、後席シートベルトは、今でも2点式でもいいことになっている。国産車の場合、排気量1.5リットル以下の小型車や軽自動車の後席シートベルトは多くが2点式。より安全性が高くなる3点式を採用するモデルは非常に少なかったが、その理由はコストだ。

最初に2点式を前提に設計したボディやシートの形状を、3点式仕様に変更するのは、意外に膨大なコストがかかる。

特に小型車の場合、1万円の価格差が売れ行きを大きく左右するので、ちょっとでもコストダウンしたいメーカー側は、義務じゃない安全装備はつけたくてもつけられないというマーケットの事情があった。

ただし、最近登場したモデルやマイナーチェンジを受けたクルマは、軽自動車でもほとんど3点式の後席シートベルトを標準装備にしている。

ちなみに、2012年7月以降に製造されるクルマは、5人乗り車の後席の中央席もすべて3点式シートベルトを装備することが義務付けられます。

やっぱり、いきなり明日から「後席もシートベルトは3点式にせよ!」って言われたら、売れなくなるクルマが大量発生してしまうわけで、こういうことっていうのは、ある程度の時間が必要なのは仕方ないですね。

MJブロンディの「ひとりごと」

後席のシートベルトが2点式のクルマは将来どうなるの?と心配になる方もいるでしょう。

でも、装備が義務付けられていなかった時期に作られたクルマは、そのままのシートベルトを締めていればいいんです。もちろん違反にはなりません。

ちなみに、前席含め、シートベルトの装備そのものが義務じゃなかった時代のクラシックカーは、ドライバーがシートベルトをしていなくても、違反にはならないのです。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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