VWの新型「ゴルフ8」に迫る!ディーゼル不正から1年、次世代「MEB」で新時代への幕開け(2/3)

VWの新型「ゴルフ8」に迫る!ディーゼル不正から1年、次世代「MEB」で新時代への幕開け
VWが次世代プラットフォーム「MEB」で電動化へ加速 VWが次世代プラットフォーム「MEB」で電動化へ加速 VWが次世代プラットフォーム「MEB」で電動化へ加速 VWが次世代プラットフォーム「MEB」で電動化へ加速 PHVモデルのVW ゴルフGTE PHVモデルのVW ゴルフGTE PHVモデルのVW ゴルフGTE PHVモデルのVW ゴルフGTE PHVモデルのVW ゴルフGTE PHVモデルのVW ゴルフGTE PHVモデルのVW ゴルフGTE 画像ギャラリーはこちら

次期型「ゴルフ」に新世代プラットフォームの「MEB」

フォルクスワーゲンの本社工場VWが次世代プラットフォーム「MEB」で電動化へ加速

こうしたフレキシブルな生産ができるのは、「MQB」という共通プラットフォームを採用するおかげだが、今回、興味深かったのは「MEB」なる新プラットフォームの存在を明かした点だ。かねがね噂されていたが、今回、「MQB」とはまったく異なるプラットフォーム刷新であることがわかった。

これは、2020年までにeモビリティの生産が劇的に増えることを予測して、新世代のプラットフォームを開発したのだ。

ただし、すでにeモビリティ関連だけで100万ユーロが投じられているため、追加の投資を最小限に抑えるべく、現在のモデルを造りながらというのが前提にあり、「MQB」と「MEB」は同じラインで生産ができる仕組みだ。パリサロンで発表する新アーキテクチャのEVは、「MEB」のコンセプトを現状の工場に落としこむ予定だ。

フォルクスワーゲンでは、「MEB」をビートル、ゴルフに続く、「新しい章の始まり」と位置づけている。「ゴルフの終わりではなく、新時代の幕開けとなる」とはいうが、年内に新型が発表されるともっぱらの噂の次世代「ゴルフ」に「MEB」が投じられる可能性が見え隠れする。

「フォルクスワーゲンは、eモビリティでもボリュームゾーンを狙っている。そのためにも、eモビリティを含めたフォルクスワーゲンの将来のブランドポジションについて、パリでヴィジョンを見せる」と、マーケティング担当役員のJurge Stackmann氏は言う。

これは、フォルクスワーゲン・グループの会長であるミュラー氏が、30機種のeモビリティを発表し、販売比率を20-25%まで高めるという方針を敷いたためだ。

600kmの巡航距離を確保し、ファーストカー需要を満たす

フォルクスワーゲンの本社工場

例えば、eモビリティ先進国のノルウェーだが、あくまでeモビリティはセカンドカー需要を満たしているにすぎない。それでは同社にとって充分な生産台数とはいえないため、フォルクスワーゲンがパリサロンで発表する予定のeモビリティのコンセプトカーでは400-600kmの巡航距離を確保し、ファーストカー需要を満たそうと試みる。

バッテリーの上に座るような構造を採るため、フロントのオーバーハングが短く、重心が低い。電池メーカーは、フレキシブルに選択できる構造だ。

その結果、ホイールベースが長く取れるので、キャビンも広々と設計できる。もちろん。急速充電にも対応する。EUサイクルでの巡航距離は400kmだが、Eレンジを選択すると、最大600kmまで延長が可能だ。

テスラ「モデルX」の巡航距離が542km、「モデル3」が345kmであることと比較して、コストもベストであり、かつ充分な巡航距離を確保できていると言っていいだろう。

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

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