スズキ独占に待った!トヨタ・ダイハツがトールワゴンに参入したワケ(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:和田清志
『リトルジャイアント』という完成系に対する、唯一の不安要件
ダイハツ トール5兄弟の開発コンセプトは、リトルジャイアントだ。外観の強い押し出し感、内装の高い質感と充実の装備、そして実際に走行してみてとNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)に対する高いレベルでの配慮を感じた。
100万円台中盤から後半という価格帯で、これだけのモノを仕上げるのは、コスト管理を含めた“日本人の匠の技”が成せることだと痛感した。
だが、どんなにコスパが良くても、ミニバンヒエラルキーという高い壁を超えることは簡単ではない。日本のミニバンでは、ママ友や、ご近所への“手前”などから、独特のヒエラルキーが存在する。そのため、トール5兄弟がどんなに優れた車でも、アルファードやステップワゴンからのダウンサイジングを呼び起こすのは難しいかもしれない。
そうなると、トール5兄弟は、軽からのステップアップ層が主体になる。つまりは、前述のように、『軽の車両規定が廃止になった場合の…』という方向へ、ことが流れていくように思える。
[Text:桃田健史]
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