日本にも導入してほしい! 国内未導入の国産メーカー製ミニバン3選
- 筆者: 望月 達也(MOTA編集部)
2022年は、トヨタ 新型ノア/ヴォクシーやホンダ 新型ステップワゴンが登場するなど、再びミニバンカテゴリーが盛り上がりを見せている。そんな中、今回紹介するのは、日本メーカーでありながら、国内で売ってないミニバンたち。豪華な内外装のモデルや、悪路走行も可能にしたモデルなど、国内導入されれば面白いのにといった車種3選をお届けする。
アルファードよりも大きい「トヨタ シエナ」
1台目に紹介するのは、トヨタが北米向けに販売しているシエナ。実は日本でもわざわざ並行輸入で乗る人がいるほど、隠れた人気車種。
初代シエナは、1990年に登場した初代エスティマ(北米名:プレビア)の後継車として1997年にデビュー。
特殊なミッドシップレイアウトで直4エンジンしか搭載できなかったプレビアとは異なり、オーソドックスなFF+V6エンジンのレイアウトと、ゆとりの室内空間を持つ大柄なボディが特徴。以来、北米専用ミニバンとしての歴史を刻んできていて、日本に正規導入されることはなかった。
現行型となる4代目モデルは2020年10月末に登場したばかり。設計・デザイン・生産に至るまで全てを北米で行い、新開発のTNGA GA-Kプラットフォームを採用。直列4気筒2.5リッターダイナミックフォースエンジンとハイブリッドの組み合わせは、同じプラットフォームを使用するセダンの「カムリ」やSUVの「RAV4」「ハリアー」(北米名「ヴェンザ」)などと共通。同クラスでは唯一のハイブリッド+AWD(四輪駆動)が用意されている。
全長は約5メートル、車幅も約2メートルとかなり巨大なサイズだが、これまでの歴代モデルはそのおおらかでアメリカンな雰囲気が支持され、日本のミニバンでは飽き足らないこだわり層たちが並行輸入し愛用するケースも多い様子。
新型モデルも日本国内で人気の高いアルファードのギラギラしたマスクとはまたひと味違う静かな迫力で、こちらも並行輸入層たちにグッと響きそうな雰囲気を醸し出している。
オデッセイの兄貴分的モデル「ホンダ エリシオン」
次に紹介するのは、ホンダの中国における四輪生産販売合弁会社である東風ホンダが製造するエリシオン。位置付けとしては2021年に日本では生産終了したオデッセイの兄貴分で、さらに上級なモデルとなる。
ホンダ エリシオンと聞くと「おおっ」と声が上がるホンダファンは多いだろう。かつて日本でも売られていたモデル名だからだ。
中国版エリシオンの外装デザインは、ベースのオデッセイに比べてかなり立派に見える。サイドモールやドアハンドルに大げさなくらいのメッキ加飾が施されているほか、押し出し感の強いフロントグリルやヘッドライト、前後フェンダーまわりやテールゲートなどもオデッセイとは別物だ。
ボディサイズは、全長4950mm×全幅1845mm×全高1710mm、ホイールベース2900mm。日本仕様のオデッセイは全長4855mm×全幅1820mm×全高1695mm、ホイールベース2900mmなので、中国版エリシオンの方が全体的に若干サイズアップしている。
室内も外観同様に豪華。
2列目のプレミアムクレードルシート自体は日本仕様と同じ形状に見える。しかし茶色の革シートには上質なキルティング加工が施されるうえ、アームレストには木目調の小さなテーブルが備わり、さらには電動調節機構まで備わっている! そのいずれも日本のオデッセイには設定のないものばかりだ。
また頭上にはやはり日本仕様にはないダブルサンルーフ、しかもかなり大きなガラスルーフまで装備される。
オデッセイ生産終了の今、その受け皿には新型ステップワゴンがあてがわれているが、エリシオンも、トヨタ アルファードの対抗馬として日本市場へ導入することを検討してみても面白いのかもしれない。
ラグジュアリーモデルからSUVテイストを加味したモデルもラインナップする「トヨタ イノーバ」
最後に紹介するのは、トヨタ イノーバ。
インドやタイなど新興国向けに販売されているMPVで、国によって展開されるモデルは異なるがイノーバのほかに、ラグジュアリーモデルのイノーバクリスタ、外観をSUVルックに仕上げたモデルのイノーバツーリングスポーツをラインナップしている。
イノーバはもともと、トヨタの新興国向けの世界戦略車「IMVシリーズ」の中核を担うミニバンとして、2004年に登場。IMVシリーズは、強靭な車体構造を共有したSUV・ピックアップトラック・ミニバンのボディタイプの車種を展開しており、イノーバはそのうちの1つ。日本でも人気のピックアップトラックのハイラックスもIMVシリーズの一角を担っている。
そのため、SUVルックのイノーバツーリングスポーツでは、ただの雰囲気だけではなく、強い衝撃を受けるような過酷なオフロードでも走り続けらえる高剛性なフレーム構造を持っている。
ボディサイズは全長4735mm×全幅1830mm×全高1795mmで、トヨタ ノア/ヴォクシーと比べてもほとんど同じサイズ。
後席のドアはスライド式ではなく、前席と同じヒンジ式。乗車定員は2列目を左右独立のキャプテンシートとした7人乗りと、ベンチタイプの8人乗りがある。
搭載するパワートレインには、2.7リッターガソリン直列4気筒エンジンに5速MTもしくは6速ATの組み合わせと、2.4リッターディーゼルターボ直列4気筒エンジンに6速MTもしくは6速ATから選ぶことが可能となっている。
ここまで、3台の異なるキャラクターのミニバンを紹介してきた。どれも国内のミニバンにはない魅力を備えたモデルたち。今再び賑わう日本のミニバンカテゴリーに参戦しても面白いのではないだろうか。
[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]
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