トヨタ”次世代タクシー”導入で、2020年東京の風景が激変する(1/3)

トヨタ”次世代タクシー”導入で、2020年東京の風景が激変する
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古典的だったタクシーキャブがガラリと一新した!

トヨタは、2017年度発売予定の”次世代タクシー”(JPN TAXI:ジャパンタクシー)専用車両を、都内で行われた内見会で公開した。ゼロから全く新しい次世代のタクシー像を創造した同モデルは、これまでの古典的なタクシー専用キャブ、クラウン セダン・クラウン コンフォートのセダンスタイルから一気に進化。ユーモラスな背高スタイルと、いかにも乗り降りがしやすそうな大開口部を持つスライドドアを特長とする。またトヨタが世界に誇るハイブリッドシステムを、タクシー車両で普及するLPガスと組み合わせることで、環境性能にも配慮されている点も嬉しい。

2020年東京オリンピック・パラリンピック開催で、また世界から注目を集めるであろう東京。その風景をガラッと変えてしまうほど、大きな影響力を持ちそうな次世代タクシー。詳細について、自動車評論家の渡辺陽一郎さんが直撃取材を試みた。

>>トヨタ ”次世代タクシー”(JAPAN TAXI) フォトギャラリー

トヨタがあえて左側だけをスライドドアにした理由

いよいよ日本のタクシーが生まれ変わる。トヨタの”次世代タクシー”が実車として披露された。外観のデザインは、すでに2015年に開催された第44回東京モーターショーで映像が公開されている。一見するとミニバン、あるいはハイトワゴン風で、水平基調のボンネットに高い天井を組み合わせた。そのためにサイドウィンドウの面積が際立って広い。

個人的には1982年に発売されたミニバンの祖先、初代 日産プレーリーを思い出した。今の背の高い車種はボンネットを前方に向けて傾斜させるが、トヨタの次世代タクシーはそうなっていない。そこがプレーリー風だ。ボディタイプとしては、後部にリアゲートを備えた5ドアハッチバックになる。

注目されるのはボディ形状が左右非対称なこと。後席側のドアは左側がスライド式、右側は横開き式になる。このような形状にしたのは、タクシー業界からの要請だという。

右側がスライド式だと、路上で開いた時に後方の車両からドアの張り出しが分かりにくい。加えて、開口部が大きく乗降性の良いスライドドアは、利便性が高い反面、通常のドアよりも子供がスッと飛び出しやすい危険性が高まる。

そこで通行帯側となる右側は、ドアの開閉が後方からも分かりやすく、開いた時に前方側が塞がれる(子供がいきなり飛び出しにくい)ヒンジ付きの横開き式とした。

スライドドアの開閉速度も高められた

このスライドドアに関する指摘は鋭い。

スライドドア装着車の右脇をスリ抜けるクルマからは、ドアが開いている状態が分かりにくく、特に左ハンドル車では停車車両を見るドライバー視線の角度が浅くなるからさらに認識されにくい(余談だが、これも左ハンドル車の重大な欠点だ)。

そこで開発者に、ミニバンなどの乗用車にもこの考え方を反映させないのか尋ねると、「タクシーはさまざまなお客様が乗車するからいろいろな配慮が必要だ。しかし個人ユーザー向けのミニバンでは、お客様の判断に委ねる」としている。確かにミニバンには、スライドドアを開閉不能にする機能(チャイルドプロテクター)も備えられている。

またトヨタ次世代タクシーでは、サイドウィンドウが完全には下がらない。これも子供がシートの上に立って開いた窓から車外に転落するのを防ぐ配慮だ。

スライドドアは横開き式に比べると開閉に時間を要するが、次世代タクシーでは開く時の所要時間は約5秒、閉まる時は約6秒になる。開閉速度も開き始めと最終的に閉じる時には速度が下がり、危険やユーザーの不安を抑えている。開発者は「この速度が限界」だという。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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